テレビを近くで見ると、目が悪くなるの?
子どもがテレビにくっつくほど近づいて見ているのですが、こんなに近くで見ていると目が悪くなるのではないかと心配です。
視力が悪いから、近づいて見ている可能性がある
回答:仁科 幸子さん 乳幼児は、視力が未発達のため、興味のあるものに近づいて見ようとするのは、自然な反応です。 「テレビに近づきすぎて視力が悪くならないか」という視点ではなく、「“視力が悪いから”テレビに近づいているのではないか」という視点でとらえるようにしてください。 いわゆる「目が悪い」というときに、多くの人が最初に心配するのは「近視」だと思いますが、近視は眼鏡をかけると視力を矯正できるので、本当の意味で「目が悪い」ということではありません。乳幼児期に注意して欲しいのは、「遠視」や「乱視」が強い場合です。これらは、目の網膜にぼやけた像しか映らないため、視力が育たず、眼鏡をかけても視力が矯正できない「弱視」につながる可能性があります。 ■視力の状態「正視」「近視」「遠視」「乱視」「弱視」の違い <正視> 距離に関係なく、ものがはっきり見える状態(網膜にピントが合っている)。情報が視神経にしっかり伝わるため、視力が育ちます。 <近視> 遠くのものは見えにくいが、近くのものは、はっきり見える状態。近くのものを見るときは網膜にピントが合っているため、情報が視神経に伝わり、視力が育ちます。 <遠視> 網膜の外側にピントが合う状態。網膜にぼやけた像しか映らないため、視力が育たず、「弱視」につながる可能性があります。 <乱視> 眼球のゆがみなどで、ピントが複数できる状態。網膜にぼやけた像しか映らないため、視力が育たず、「弱視」につながる可能性があります。 ■注意すべき子どもの画面の見方(回答:越後貫 滋子さん) 下記のような見方をしている場合は、視力が悪い可能性があります。早めに受診してください。 (1)目を細めるようにして画面を見ている (2)極端に画面に顔を近づけて見ている (3)顔を傾けたり、横目使いしたりして画面を見ている
画面との距離よりも視聴時間に注意
回答:越後貫 滋子さん 30~45分くらい見たら、適度に休憩をはさむようにしましょう。 一般的には、画面の高さの3倍くらい離れて見るのが良いと言われていますが、視力が未発達な乳幼児のうちは、それより近くで見ることも多いものです。
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