「寝返り」や「ハイハイ」「あんよ」、みんなより遅くても大丈夫?

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2016/09/10

出典:すくすく子育て[放送日]2016/09/10[再放送]2016/09/16

「寝返り」がみんなより遅くて心配

娘が8か月になっても「寝返り」をせず、心配です。本やインターネットで調べると、「寝返りは5~6か月でする子が多い」と書かれています。しかし、いつもゴロゴロしているだけで、7か月を過ぎても全く「寝返り」をしないので、ずっと気になっています。
パパと私で「寝返り」を促すように、娘の足を回してみたり、横で「寝返り」をして見せてあげたりしますが、効果はありません。
「寝返り」をすることによって腰の筋肉が鍛えられ、「お座り」ができるようになると聞きました。そのため、今のままで今後の体の発達に影響がないのか心配です。
(8か月の女の子をもつママより)

 

「たっち」がみんなより遅くて心配

1歳4か月の娘がまだ一人で歩くことができません。「寝返り」は4、5か月くらいでするようになり、「お座り」も早い時期にできるようになりました。しかしその後は、周りの子に比べて発達が遅くなりました。8か月のころ、周りの子が「ズリバイ」を始めても、娘は座ったままでした。
誕生日が1か月違いの友達と遊んでも、友達は「たっち」で、娘は「ハイハイ」です。
児童館などに連れて行っても、同世代の子が走り回っている中、「ハイハイ」の娘は遊びに入れず、同世代の子と離れていくようなことが多いです。
「ハイハイ」や「たっち」が遅れてきているので、これからもずっと周りの子に比べて発達が少しずつ遅れていくのではないかと、心配です。
(1歳4か月の女の子をもつママより)

 

「運動の発達」の時期は、個人差がある

榊原 洋一回答:榊原 洋一さん

一人一人の脳が発達するスピードは、あらかじめある程度プログラムされています。そしてそのスピードは、一人一人異なります。発達のスピードには、子ども一人一人がもともと持った運動の「性格」のようなものが出てくるため、とても個人差があるのです。

また、どんな子どもも「脳の発達」が「運動の発達」につながっていきます。子どもの「運動の発達」は、「神経の発達」に伴い、頭に近い所から徐々に自分の意思で動かせるようになるのです。

「運動の発達」の順番



(1)「首」
まず、目で物を追うようになり、次第に顔を向けられるようになります。これが、「首すわり」です。
(2)「手」
触りたいものに手を伸ばし、腰を使って「寝返り」ができるようになります。
(3)「足」
足を動かせるようになり、つたい歩きを経て、上手に歩くようになっていきます、

「運動の発達」の月齢の目安

下の図は、それぞれの「運動の発達」の月齢の目安です。
 


【グラフの見方】
ピンクの横棒の左端:25%の子ができるようになる時期
ピンクの横棒の右端:90%の子ができるようになる時期



・「寝返り」の場合
25%の子ができるようになる時期…4か月くらい
90%の子ができるようになる時期…7か月くらい
※それよりも遅い子が10%ほどいるということです。つまり、発達の個人差は、ピンクの横棒の長さ以上に大きいと言えます。

▼病院で診察してもらったほうがいい時期の見定め



上図の青い部分で表しているように、ピンクの横棒の半分の長さを、横棒の右端に足してください。足した分を含めた期間を過ぎてもできない場合は、一度、お医者さんに診てもらってもよいでしょう。ただし、それも必ずではなく、実際にはもう少し長く期間を考えてもいいと思います。
例えば上図の「上手に歩く」でいうと、1歳4か月過ぎあたりからが気にしてもいい時期になりますが、私の経験では、1歳6か月くらいになっても歩いていない場合に、診察をオススメします。それでもただゆっくり発達しているだけという場合がありますよ。

▼平均は気にし過ぎなくていい
ピンクの横棒の半分にあたる部分が平均としていわれている月齢です。しかし半分ということは、50%の子がまだできていないということです。そのため、平均とされる時期にできていなくても、心配はありません。
早くできる子もいれば、ゆっくり発達する子もいます。「寝返り」や「ハイハイ」などそれぞれの「運動の発達」の時期は、さまざまな月齢の幅があるということを知っておくことが大切です。

 

若盛 清美回答:若盛 清美さん

同じ8か月の子でも、「つたい歩き」をし始める子もいれば、全くできない子もいます。そのため、園で活動するときは、「ハイハイできる子で一緒に過ごす」など、月齢ではなく発達の度合いで一緒に過ごせるように工夫をしています。


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