娘は、自分のおやつのバナナを、くまの人形に分けて与えることがあります。また、人形の歯を磨いてあげることもあります。教えていないのに、突然このような「やさしい行動」をするようになりました。
少しずつ人に優しくする感情が芽生えてきているんだなと思うのですが、子どもの優しい心はどのようにして育つのでしょうか?
(1歳4か月の女の子をもつママより)
人に優しくしてもらうことで、さらに優しさが育つ
回答:遠藤 利彦さん 人間は優しい気持ちを持って生まれてくるという「性善説」、いじわるな気持ちを持って生まれてくるという「性悪説」という2つの説がありますが、心理学における最近の研究では、「性善説」が主流になっています。 生まれながらに優しい気持ちは持っているけれど、自分が困って泣いているのに何もしてもらえなかったり、泣くことでつねられたり、ぶたれたりすることがあると、その優しい気持ちが徐々に薄れてしまうのではないかと思います。 人に優しくしてもらうことで、さらに優しさが育つのだと思います。
子どもがやりたいことにできるだけ共感してあげる
回答:汐見 稔幸さん 優しさを育てるために、親ができることとしては、子どもがやりたいことにできるだけ共感してあげることです。 特別に何かをしてあげる必要はありません。 例えば、ものを投げたそうにしていたら、「投げたいんだね」と言いながら、ボールを渡してあげたり、「それが好きなんだね」と言いながら見守ってあげましょう。 危ないことをしそうな場合は、止めてください。 子どもがやりたいことにできるだけ共感してあげることが大切ですね。
優しさを育てる夫婦のありかたは?
回答:汐見 稔幸さん 1歳前ぐらいの赤ちゃんの前で、夫婦が大声でケンカをすると、赤ちゃんが泣き出すことが確かめられています。 これは、「つらい」「やめて」ということを訴えるために泣いているのではないかと考える人もいます。 出来るだけ子どもの前では、強い口調や暴力的な行為でケンカはしない方がいいと思います。
回答:遠藤 利彦さん 子どもは、お父さんとお母さんのケンカなどの「自分の背後で起きていること」にとても敏感だと言われています。 お父さん、お母さんは、子どもにとって安心できる場所です。 そのお父さんとお母さんがケンカをすると、自分が直接叩かれたり、蹴られたりして痛い思いをしているわけではないけれど、自分のいる世界が危険なところだと感じるため、「絶対的安心感」が失われる場合もあります。
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