上の子が下の子をかわいがってくれない… この過程は正常?
私のせいで娘が変わってしまったのではないかと悩んでいます。私に余裕がなくて「ちょっと待って」「あとにして」と言うことが積み重なって、不安を与えているのかもしれません。
本心ではないと思うけど「赤ちゃん嫌い、捨ててきて」と言うこともありました。そんなことを思わせてしまったこともかわいそうです。この過程は正常なのでしょうか。
(お子さん4歳・5か月のママ)
白鳥久美子さん わが家も同じです。上の子が「赤ちゃんあっちに置いてきて」と言ったり、下の子を突き飛ばしたりして、危なくて怒ってしまうこともあります。本当はどちらも同じように見てあげたいのですが、赤ちゃんが泣いたら、やっぱりそちらに行ってしまう。エネルギーが分散してしまうんです。そうするしかないけど、不安になりますよね。
ママのお悩みに、宮里さん訪問
困っているママの話をじっくり聞くために、宮里暁美さんがママの家を訪問しました。
宮里さんがあいさつすると、お姉ちゃんは(4歳)は「あっかんべー!」「撮らないで!」と警戒しています。
弟が生まれてから、新しい人が来ると攻撃的になってしまったといいます。
宮里さんは、上の子と仲よくなるためにまずは一緒に遊びました。
そして打ち解けてきたところで、お姉ちゃんの今の気持ちを聞いてみました。
「3人家族が4人家族になって気持ちに変化はありましたか?」と聞くと、「でも弟はまだ大きくないよ」と言います。「いないいないばぁはできるんじゃない?」と言うと、「泣いちゃうから無理だよ」と答えました。
弟と一緒に遊びたいけど、どう接していいのか戸惑っているみたいです。
お姉ちゃんの変化に悩んでいたママには、「大人から見るとハラハラしたり”ちょっと”と思ったりもするけど、上の子はいま自分で加減を獲得していて、ニューフェイスに対してどう接したらいいのかを模索していて、”ちょうどいい”を見つけ始めている。変わったように見えるのは、ひとつの成長だと思います」と伝えました。
宮里さんは上の子に、絵本のおみやげをもってきました。赤ちゃんがやってきて“お姉ちゃん”になった女の子のお話です。
「おかいものにいくとき なっちゃんはママと てをつなごうとしました」
「でも ママは あかちゃんをだっこしているので てを つなげません」
「なっちゃんは ママのスカートを ”ちょっとだけ”つかんであるきました」
女の子が「ちょっとだけ」成長していくお話に、お姉ちゃんは興味津々です。
「なっちゃんは ママのにおいを いっぱいかぎながら いっぱい だっこしてもらいました」
「そのあいだ あかちゃんに ”ちょっとだけ”がまんしてもらいました」
「赤ちゃんもがまんできるもんね」
お話のきょうだいを、自分と弟に重ねたみたいです。
そして、「わたしもベビーカーに乗ってほしいんだけど、弟はまだ乗れない」とつぶやいたあと、「あ!ちょっとベビーちゃん持ってくる」と言って、おもちゃのベビーカーを持って来ました。弟の代わりにお人形を乗せてお散歩させて楽しそうです。
宮里さんは、ママに「優しい人ほど、育児をすればするほど”足りてない”って思っちゃう。でも、そろそろ足りてると思ったほうがいいかもしれない。だって、お姉ちゃんはよく育ってる」と伝えました。
この訪問から3週間後、ママとお姉ちゃんに変化があったようです。
娘は「ぎゅっとしててほしい」「だっこしててほしい」と具体的に言ってくれるようになりました。親戚には「赤ちゃん返りがすごいね」と言われたけど、私は素直に甘えてくれて、とてもかわいいと思えます。弟への態度にも変化があって、優しく触れたり、優しい表情で「大好き」と言ったりする場面が増えてうれしいです。 (ママ)
―― 「赤ちゃん捨ててきて」という言葉は、どう受け止めたらいいですか?
子どもは成長する過程で揺れながらいろいろなことを言う
回答:宮里暁美さん 子どもは、いろいろなことをそんなに考えずに言うことがあります。それを大人が深刻に問いただしたり、真意を確かめたりすると、どんどん悲しい言葉の記憶が強まってしまいます。 子どもは、成長する過程で揺れながらいろいろなことを言います。ちょっと残念なことを言ったら「くしゃみしたかな」ぐらいのつもりで、何かいいおまじないをかけてあげましょう。「捨ててきて」と言われたら、例えば「捨てられないよ、宝物だもの」と返してみてください。
りんたろー。さん(MC) 親には言葉が刺さりすぎて「そんなこと絶対言っちゃダメ」と言ってしまいそうだけど、もっと力を抜いていいのですね。
―― 子どもから「うるさい」と言われたら、「うるさくない」と返せばいいですか?
否定はせずに、並列するか、少しずらす
回答:宮里暁美さん 否定するのではなく、並列するか、少しずらすといいですね。「私の職業だから」「え、うるさいの?」などと返してみましょう。
子どもは親を心配している。自分が元気になるようご褒美を
回答:宮里暁美さん 親は子どもを見ているつもりですが、子どものほうが親のことを「元気かな」と心配しています。だから、元気がいちばんです。親は自分が元気になれる時間でパワーをチャージして、「今日はなんだかダメだ」というときは、おいしいお茶やケーキで自分にご褒美をして、また普通の自分に戻れるようにしてみてください。
白鳥久美子さん 「下の子が優先になっている」「上の子が優先になっている」と悩んでいましたが、それは適材適所で頑張っていると受け止めて、優先順位なしにきょうだいひとりひとりを見ていけばいいですね。 最近やせないといけないなと思っていましたが、今日はご褒美にケーキをたくさん食べてもいいかなと思いました。
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