ウイルス性胃腸炎の感染対策は?
先日、娘(7か月)が初めて下痢をしました。ウイルス性胃腸炎とは思わずにおむつの処理をしたら、そのあと家族全員が感染しました。家庭での感染対策が知りたいです。
(お子さん7か月のパパ・ママ)
(お子さん7か月のパパ・ママ)
胃腸炎を起こすノロ・ロタウイルスにアルコール消毒は効かない。せっけんで手洗いを
回答:松永展明さん 感染症の基本的な予防として、アルコール消毒の認知度は高いと思います。でも、胃腸炎を起こすノロ・ロタウイルスにアルコール消毒は効きにくいのです。胃腸炎の感染予防には、せっけんで手洗いすることが非常に大事です。
―― オムツや吐いたものは、どう処理したらいいですか?
下痢やおう吐物が感染源になる。マスクや手袋を使って片づけを
回答:野村さちいさん ウイルス性胃腸炎にかかっているときの下痢や吐いたものは、感染源になり得ます。片づけをする人はマスクや手袋を使って、自分を守ってください。
「片づけセット」を作っておく
回答:野村さちいさん できれば「片づけセット」を作っておくといいでしょう。「あれも取りに行かなきゃ」「これも取りに行かなきゃ」としていると、いろいろなところに感染が広がってしまいます。 消毒用として水に薄めて使う塩素系漂白剤、おむつを密封するポリ袋、拭き取り用のペーパーやぞうきんなどをひとまとめにしておくと便利です。
〇塩素系漂白剤
〇薄めるための水
〇ポリ袋
〇マスク
〇手袋
〇ペーパー
〇ぞうきん
〇着替え など
着替えは前あきの服だと脱ぎ着しやすい
回答:野村さちいさん 着替えも片づけセットに入っているといいですね。ただ、かぶるタイプの服だと、脱がすときに吐いたものが髪の毛についてしまうなど、飛び散ってしまいます。 前あきの服だと、脱ぎ着がしやすくておすすめです。できるだけ手軽なことが大事だと思います。
おう吐・下痢による脱水
子どもがおう吐や下痢を繰り返すとき、見落としがちなのが脱水です。
子どもは脱水になりやすいのでしょうか?
おう吐が収まったあとに下痢症状がでて脱水になりやすい
回答:松永展明さん すぐに脱水になりやすいような状況ではあります。吐いて、水分がとれない状況で、少し落ち着いた後に下痢が出てきます。吐くほうがよくないイメージがありますが、実は下痢のほうが、水分量が失われやすいのです。
脱水のサインがあらわれたらすぐに受診する
回答:松永展明さん ぐったりして水分がとれないときに起こりやすい症状は、「目がトローンとして少し落ちくぼむ」「唇が乾く」「皮膚が乾燥してつやがなくなってシワが出る」などです。そういったサインが受診の目安になります。
おう吐や下痢が繰り返しある場合は、塩分・糖分を「経口補水液」で補給する
回答:野村さちいさん 脱水にならないための水分補給は、「何を飲ませるか」「どう飲ませるか」が大事です。 おう吐や下痢が繰り返しある場合は、塩分と糖分の両方を補給することが大切なので「経口補水液」を飲ませるのがいいでしょう。
経口補水液
脱水予防として、「経口補水液」や「イオン飲料」と呼ばれるものが適しています。体内から失われた水分、塩分などの電解質、糖分をすばやく吸収できるように作られています。
※経口補水液が苦手な場合は、リンゴジュースや具の入っていない薄めたみそ汁でもよい
水分補給のときは、少しずつ何度も飲ませる
回答:野村さちいさん 水分補給するときは、子どもが欲しがっても一気に飲ませないで、少しずつ何度も飲ませることが大事です。 最後に吐いてから30分~1時間ほど待ち、吐き気が収まってから、1回につき経口補水液をペットボトルのキャップ1杯ぐらいの量を飲ませます。ティースプーンでもいいと思います。最初は5分に1回程度、そのあと少しずつ量を増やしていきましょう。 母乳はいつも通り飲ませてよく、ミルクは少なめから始めます。
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