どうしたらいい? 感染症での発熱
感染症にかかるたびに熱が出て心配です。でも、発熱しても意外と元気なときもあり、病院に行くタイミングがつかめません。40度ほどの熱が出ると、私はすぐに救急や病院を考えるのですが、夫は「ちょっと調べてからがいいのでは」と言います。病院へ行く目安も知りたいです。
(お子さん1歳3か月のママ)
―― すぐに受診が必要になるのはどんなときですか?
4か月未満の発熱は受診を
回答:松永展明さん 発熱自体は感染症から体を守る反応なので、心配しなくても大丈夫です。 ただ、4か月未満の場合はあまり熱を出さないため、熱が出たこと自体が、何かの感染症など重篤な可能性があるので、受診の目安になります。
子どもの発熱「生後4か月未満」の受診の目安
生後4か月ほどまでは母親から受け継いだ免疫のおかげで、本来は発熱しにくいといいます。38度以上の発熱は、すぐに受診しましょう。母乳やミルクを飲まなくなる、泣き声が弱々しい、ぐったりしている、顔色・手足の色が悪い、呼吸が苦しそうなども、すぐに受診が必要なケースです。
※これ以外でも、心配ならためらわず受診してください
呼吸が苦しいときのサイン
回答:松永展明さん 呼吸を「ハーハー」していたり、胸に耳を当てると「ゼーゼー」していたり、「胸がペコペコ」していたりするのは、呼吸が苦しいサインです。このように呼吸が苦しそうなときは、すみやかな受診をおすすめします。
生後4か月以降は母親からの免疫がなくなりカゼをひきやすくなる
回答:松永展明さん 生後4か月以降は母親からの免疫がなくなり、カゼをひきやすくなります。実は、乳幼児期に30回ほどカゼをひくといわれているのです。カゼが1週間ぐらい長引くと、いつもカゼをひいているような印象を受けるかもしれません。一方で、カゼ自体は心配しないでいいと思います。
子どもの発熱「生後4か月以上」の受診の目安
4か月以降は発熱しやすくなりますが、高熱が出たら必ず受診が必要というわけではありません。
子どもの様子を見て、異様にぐずる、ぐったりしている、遊びに関心を示さない、顔色が悪い、呼吸が苦しそうなどが、受診の目安となります。
ただ、41度以上の非常に高い熱の場合は、自分で調節できないような何かが原因で熱が出ている可能性があるので、すぐに受診しましょう。
※これ以外でも、心配ならためらわず受診してください
(お子さん1歳3か月のママ)
解熱薬は熱で水分や食事をとれないときに休ませる目的で使用する
回答:松永展明さん 解熱薬(解熱剤)は、病気そのものを治す薬ではありません。子どもが「つらそう」「水分をとれない」「ごはんを食べられない」というときに、少し休ませる意味で解熱薬を使います。使わなければいけないわけではなく、子どもの様子を見て使ってください。 ※間隔は必ず6時間以上空けてください ※6か月未満の赤ちゃんには基本的に使用しないでください(使用する場合は医師に相談)
―― 発熱したときは、体を冷やすのとあたためるのと、どちらがいいのでしょうか?
熱が上がっているときに寒がったらあたたかく、熱が上がりきって暑がるときは涼しくする
回答:野村さちいさん 熱自体は、子どもが一生懸命病気と戦っているときなので、パパ・ママはサポートしてほしいと思います。 熱が上がってくるときは寒がることが多いので、洋服を1枚着せるなどあたたかくしてあげましょう。 逆に熱が上がりきって、体のどこを触っても熱いときは、暑がることが多いので、少し薄着にするなど涼しくしてあげましょう。 大事なのは、子どもが気持ちよく過ごせることです。
家でゆっくり休むのも治療のひとつ
回答:野村さちいさん 感染症の子どもの熱は、親と家でゆっくり休むことも立派な治療のひとつです。頑張る子どもの手助けをしてほしいと思います。
受診の判断に迷ったとき
受診するかどうか判断に迷ったときに役立つ情報を紹介します。
ウェブサイト「こどもの救急」は、気になる症状を選び、当てはまる項目にチェックを入れると、受診の目安を示してくれます。
「こども医療電話相談」は、休日や夜間などの相談窓口です。番号「#8000」に電話すると、小児科医や看護師が対応してくれます。
※都道府県により実施時間などが異なります。
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