子どもの友だち関係に口を出すべき? 見守るべき?
子育て中のパパ・ママに、子どものしつけについて聞いてみると、「友だちとの関係」を心配するさまざまな意見がありました。
〇「お友だちが嫌な気持ちにならないように」など、最低限守るべきルールはしっかり伝えるようにしています。 (お子さん2歳9か月・6か月のママ) 〇ケガをさせてしまうのは怖いので、「ものをとったらケンカになっちゃうよ」と伝えなきゃと思っています。 (お子さん2歳6か月のパパ) 〇友だちをたたくのを見過ごしてしまうと、将来本人がつらい目にあうのではないかと思います。 (お子さん1歳8か月のママ) 〇わが子を自由奔放に育てて、友だちと遊べなくなってしまったら悲しい。 (お子さん6歳・3歳・2か月のママ)
こちらの2人の子どもを子育て中のパパは、友だち関係に口を出すべきか、見守るべきかで悩んでいました。
友だちに手を出してほしくないので、手が出るときは注意します。ただ、遊びの延長やじゃれ合いの中で出てしまうとき、どう声をかけるか難しいです。
他の親の目が気になることもあります。「そんなに怒らなくてもいい」「もっと怒って」と思っている親がいるかもしれません。子どもの友だち関係に口を出すべきでしょうか。それとも、見守るべきでしょうか。
(お子さん2歳11か月・7か月のパパ)
他の親の目が気になることもあります。「そんなに怒らなくてもいい」「もっと怒って」と思っている親がいるかもしれません。子どもの友だち関係に口を出すべきでしょうか。それとも、見守るべきでしょうか。
(お子さん2歳11か月・7か月のパパ)
子どもは行動することで体験から学ぶ
回答:柴田愛子さん もめるから学ぶわけです。言葉を持って生まれた子はいません。でも、感情は持っています。だから「この子、おもしろそう」「この子の持ってるのキラキラしてる」「これとりたい」と思って、とって、ぶったり、なめたり、匂いをかいだりするわけです。少し動物的なやり方だけど、子どものコミュニケーションの形だと思います。 そのときに「ダメ」と言って行動を制限することは、大人が会話を制限されることに近いと思います。 友だちからとってみたら、相手が泣いたり、大人に怒られたり、いろいろなことが起きて、「やめよう」あるいは「これは大丈夫」とわかってきます。やってみないでわかることではありません。体験から学ぶのです。
親同士で声をかけ合い子どもを見守る
回答:柴田愛子さん 子どもたちが取り合いしたときは、相手の親に「ちょっと見てますか? それとも、こういうのは嫌いですか?」といった声をかけてみましょう。「嫌いです」と言われたら「そうですよね」と返す、「私も見ていてもいいと思うんです」と言われたら、その人は気が合う人で、友だちになっていけばいいと思います。大人同士が全員と友だちにならなくてもいいと思いますよ。
子ども同士は仲がいいのに親が合わないという理由で、友だち関係に口を出すようになってしまうのではないかと気になっています。
(お子さん5歳のパパ)
(お子さん5歳のパパ)
親が子どもを引き受けているように、子どもも親を引き受けている
回答:柴田愛子さん よくあることですね。その比重だと思います。例えば、子ども同士は仲がよく、親同士はよくなくて、その親が子どもに「遊ぶのはいいけど、私はあのママとあまり仲よくなれないから、家には誘わないでね」と話して、子どもも「わかった」と言っていたことがありました。でも、それで子どもたちの関係性が変わるわけではないのです。子どもの力をそいでしまうかというと、そうでもないと思います。親が子どもを引き受けているように、子どもも親を引き受けているのです。
―― 親がとても仲いいけど子どもは仲が悪いというパターンもあると思います。
親も子も万人に好かれるのは難しい
回答:柴田愛子さん 親も子も、万人に好かれるのは難しいですね。その温度差は、子どもも親同士も何となく感じるので、だんだん距離が離れていくと思います。
状況に合わせてやりくりするのが社会性
回答:大豆生田啓友さん 子どもはそれも含めて学んでいるわけです。例えば、親同士は仲よしで、自分たちはそうでもないけど、それなりにその場では折り合っていく。あるいは、「家では遊べない」と言われて、「しょうがない、ここでいっぱい遊ぶか」と考える。 子どもたちは、いろいろなことをよく見ながら、状況に合わせてやりくりしています。それは社会性ですよね。しつけようと思っていなくても、子どもは世の中のことを学んでいて、しつけになっているのかもしれません。
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