夏の虫刺され、どうしたらいい?

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2024/08/03

出典:すくすく子育て[放送日]2024/08/03[再放送]2024/08/08

2年前の夏、娘(当時1歳4か月)を家庭用プールに入れていました。プールをいつでも子どもを見られる場所に置き、安全対策はバッチリ。娘は大喜びで水遊びして、その様子をスマホで撮っていたら、娘のまわりをスズメバチが飛び回っていたのです。

周りに目を向けると、軒下にソフトボールほどの巣がありました。巣ができていることに全く気がつきませんでした。その後、娘を家の中に避難させ、駆除業者に巣を駆除してもらいました。
(お子さん3歳のママ)

スズメバチの被害は7~10月に多い。巣は1か月で30cmほどの大きさになることも

回答:大野美喜子さん

スズメバチの被害は7~10月にかけて拡大します。基本的に、4月ごろ女王バチ1匹で巣を作り始めて、他の働きバチと一緒に巣を大きくしていきます。1か月で約30cmになることもあるといわれています。


―― 巣を見つけたときには、どうすればいいですか?

巣に刺激を与えることは危険。自治体によっては巣を除去してくれるので相談を

回答:大野美喜子さん

巣に水をかけたり、手で追い払ったり、大きな音を立てたりといった刺激を与えることは危険です。スズメバチは臭いにも敏感で、香水や柔軟剤などの匂いにも反応するので注意しましょう。
自治体によっては巣を除去してくれる場合もあるので相談してみてください。


―― スズメバチに刺されてしまったときは?

まずは刺されたところを洗い流して冷やす。アナフィラキシーになった場合はすぐに受診を

回答:坂本昌彦さん

虫刺されは、基本的にまず刺されたところを冷たい流水で洗い流し、冷やすことが大事です。また、刺された部分に、市販の外用薬などを塗りましょう。
ハチの場合は痛みだけでなく、気分が悪くなる、せきが出る、息苦しくなるようなことがあります。これはアナフィラキシーといいます。特に、1度刺されてハチ毒アレルギーになると、2回目以降にアナフィラキシーが起きやすいといわれています。そういった症状がある場合は、すぐに救急車などで病院に行ってください。
以前、娘が神社で遊んでいるときにハチに刺されました。娘は刺されたことに気がつかず「お友だちに叩かれた」と言って泣いていたんです。でも、お友だちはハチが飛んでいくのを見ていて、すぐに病院に行きました。
(すくすくファミリー)


―― 子どもが遊びに夢中になって、ハチに刺されても気づかないことはありますか?

痛みの原因を判断できないことも

回答:坂本昌彦さん

ハチに刺されるととても痛いので、基本的に気づかないことはありません。でも、痛いのは刺されたからなのか、他の原因なのかを自分で判断できず、親に症状をうまく伝えられないことはあるかもしれません。どうして泣いたのかなどを、子どもにしっかり聞いてみてください。

ハチ以外の虫刺され

夏の虫刺されはハチだけではありません。マダニ(春~夏)、ブユ(3~10月 山間部では主に夏)、蚊(4~11月)、毛虫(5~9月 特に5月と8~9月)にも注意が必要です。
※地域によって差があります


―― 虫刺されは、どんなことに気をつけたらいいですか?

子どもの虫刺されは大人よりも腫れやすい。かくと「とびひ」になる恐れも

回答:坂本昌彦さん

子どもの虫刺されは大人よりも腫れやすく、「こんなに腫れて大丈夫ですか」と言って病院に来る方もいます。
気をつけないといけないのは、蚊などに刺されてかゆみが出て、子どもがかき壊してしまう場合です。爪にばい菌が入って汚れていたりすると、「とびひ」になることもあります。



ふだんからかゆみをコントロールして、かかせないようにしましょう。早めにかゆみ止めの薬を塗る、爪を短く切っておくといった対応が大事です。

蚊刺(ぶんし)過敏症の場合は受診を

回答:坂本昌彦さん

蚊に刺されたとき、虫刺され程度でおさまらず、腫れた場所が潰瘍になって、水ぶくれになることがあります。蚊刺過敏性というアレルギーで、治るのに時間がかかることもあります。医療機関に相談したほうがいいでしょう。



―― 蚊などに刺されてかゆいところに、爪で「バッテン(×)」をつけることがありましたがよいのでしょうか?

傷つけることになるので、お勧めしない

回答:坂本昌彦さん

実は、爪でバッテンをつけることには「根拠がない」といわれています。爪で傷つけることになるので、あまりお勧めしていません。


―― 虫に刺されないためには、どうすればいいですか?

外で遊ぶときは長袖と長ズボンを。足元は肌を出さないように

回答:大野美喜子さん

虫によって違いもありますが、肌が露出しているところが刺されるので、外で遊ぶときには長袖と長ズボンにすることが大事です。
よく刺される場所は、ズボンと靴下の間やサンダルで甲が出ているところです。足元は肌を出さないように、よく注意してください。


―― 刺されると言えばクラゲだと思いますが、どういった注意が必要ですか?

陸でもクラゲに注意が必要

回答:大野美喜子さん

最近は、海の中だけでなく陸でもクラゲに注意が必要です。正確に言うとクラゲではないのですが、よく見かけるものに「カツオノエボシ」があります。



カツオノエボシは、見た目がきれいですが、触手に強い毒を持ち、電気クラゲと呼ばれることもあります。海岸に打ち上げられていることも多く、触手が周りに散らばっている場合があります。



打ち上げられていても、毒性が残っている可能性があるので、見つけても触らず、近寄らないようにしましょう。

カツオノエボシに触ってしまった場合は医療機関に受診を

回答:坂本昌彦さん

カツオノエボシに触ると、電気が走ったような激痛があります。それでパニックになって、呼吸困難になってしまうこともあります。また、ハチなどと同じようにアナフィラキシーの症状を起こすこともあります。
とにかく痛く、触った場所が水ぶくれになったり、潰瘍をつくったりすることがあります。触ってしまったときは、必ず医療機関を受診してください。触りたくなっても触らないように気をつけてください。

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