自己肯定感とは?
―― そもそも「自己肯定感」とはどんなことでしょうか?
よいところ・悪いところも含めて「まるごとの自分」を好きでいられる感覚
回答:遠藤利彦さん 心理学では、自尊心、自尊感情と言われることが多いかもしれません。「自己肯定感」とは、自分のよいところも悪いところも含めて「まるごとの自分」を好きでいられる感覚だと思います。 そして、いちばん根っこにあるのは「愛される感覚」ではないでしょうか。どんなに激しく泣き叫んでも決して見捨てられずに受け入れてもらえる、自分には愛してもらえるだけの価値があると思える。この感覚が、自己肯定感や自尊心の土台になっていると思います。
子どもの力を信じて子どもをそのまま認める
回答:天野ひかりさん いろいろな分野の専門家の方が子育てについて教えてくれましたが、最終的にひとつのことに行きつくと思いました。それは、子どもの力を信じて子どもをそのまま認めることです。それが自己肯定感につながると思います。 自己肯定感を育むために特別なことをするよりも、日常の親子の会話を少し工夫するだけで、大きく育てていくことができるように思います。
自己肯定感が高い人と低い人は、それぞれのよさがあるように思います。例えば、自己肯定感が低い人は謙虚であったり、まわりに気をつかえたりするようないい面もあるのではないか? と感じます。
(すくすくファミリー)
(すくすくファミリー)
自己肯定感は生きる力の土台になる
回答:天野ひかりさん 自己肯定感という言葉のイメージから、「自信満々な人」と誤解されることがありますが、そうではありません。私は、自己肯定感をわかりやすく伝えるために、器に例えて話をしています。 まず、器をイメージしてください。その器に、水を注いでいきます。水を、子どもが身につけていく知識、情報、社会のルール、モラルといったものだと考えると、器はなるべく大きくて丈夫でしなやかであってほしいと思いますよね。この器が自己肯定感なのです。 ただ、はじめは器が小さく、多くのものを入れようとすると水があふれてしまいます。親が子どもに「何回言ったらわかるの」と言うときは、水があふれている状態です。 親にできることは、まず自己肯定感という器を大きく育てていくことです。「私は私だから大丈夫、愛されている」という気持ちです。生きる力の土台になるのが自己肯定感という器なのです。
自己肯定感が育っているからこそ謙虚で周囲に気をつかえる
回答:天野ひかりさん 自己肯定感が育たないままだと、自分を認めることができません。自分の意見に自信が持てず、「私なんか」と考え、周囲に惑わされることがあります。また、みんなに認めて欲しくて「見て」「かまって」と過度なアピールをしてしまうこともあります。 謙虚であったり、相手の立場で考えられたりするのは、自己肯定感が育っているからこそだと思います。
―― 謙虚であることと、「自分なんか」と自分を卑下することは違うことなのですね。
謙虚は自分を受け入れて相手のよさも認められることで成立する
回答:遠藤利彦さん そうですね。「謙虚」の前提には自己肯定感があると思います。自分の長所や欠点を受け入れて、相手のよさも認められることで成立する態度になります。 一方で「卑下する」は「自分はダメだ」と自分で自分を否定している状態です。謙虚と自分を卑下することは全く違うことだと考えていいでしょう。
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