子どもの発熱、受診の目安は?
子どもが発熱したとき、どのようなタイミングで病院に行けばよいのでしょうか? 夜間など救急受診を迷うときもあります。発熱時の受診の目安はありますか?
全身状態が悪い、病気に体力が負けそうなときは受診を。ふだんの様子を知ることも大事
回答:福井聖子さん 熱に加えて、全身状態が悪いとき(病気に体力が負けそうな状態)は、医療の助けが必要なので、受診したほうがよいでしょう。 全身状態は、子どもの機嫌などでみますが、4か月くらいまでの赤ちゃんは機嫌がとてもわかりにくいので、受診の目安は、生後4か月の前後で変わってきます。 生後4か月未満の赤ちゃんは、おっぱいやミルクを飲まなくなる、泣き声が弱々しいなどです。激しく泣いているときはまだ力がありますが、ふだんと違って弱々しいときは気をつけてください。その他、手足の動きが悪いぐらいぐったりしている、顔色・手足の色が悪い、呼吸が息苦しそう、38℃以上の発熱などが目安になります。ただ、予防接種を受けた後の発熱は、38℃以上でも、明らかに予防接種の副反応の場合は様子をみてもよいでしょう。心配なときは受診してください。 4か月以上の場合は、異様にぐずる、ぐったりしている、まったく遊ばない、顔色が悪い、呼吸が苦しそう、いつになく頭を痛がるなどが目安になります。 これ以外でも、「どこか変」と感じるときや、心配な場合はためらわず受診をしましょう。子どもの様子が「どこか変」と感じるには、遊び方、食べ方、体温・皮膚のハリなど、ふだんの子どもの様子を知っておくことも大事です。確実に「これはいつもと違う」という部分を、ふだんの生活の中で把握しているといいですね。親の直感も大切です。
以下のような場合は、夜間・休日関係なく、すぐに受診しましょう。
生後4か月未満
〇おっぱいやミルクを飲まなくなる
〇泣き声が弱々しい
〇ぐったりしている
〇顔色・手足の色が悪い
〇呼吸が苦しそう
〇38℃以上の発熱 など
生後4か月以上
〇異様にぐずる
〇ぐったりしている
〇まったく遊ばない
〇顔色が悪い
〇呼吸が苦しそう
〇いつになく頭を痛がる など
その他
親から見て「どこか変」と感じるとき
熱が出て急変しやすい肺炎球菌・Hib(ヒブ)感染症は、予防接種で激減
福井聖子さん 発熱の原因となる感染症には、さまざまなものがあり、重症化するものにはワクチンが開発されてきました。 その中でも、「細菌性髄膜炎」の原因となる肺炎球菌・Hib(ヒブ)感染症は、熱が出て急変しやすく、重い障害を残したり、子どもが亡くなったりする病気として恐れられてきました。ワクチンが開発され、予防接種の定期接種の対象となってから激減しています。
―― 子どもの高熱が続くと、脳に悪い影響がありますか?
通常、発熱そのものが脳にダメージを与えることはない
回答:福井聖子さん 発熱そのものによって、脳にダメージがあることはないといわれています。ただ、41℃以上の熱が続くなど、特殊な状況な場合は除きます。通常、子どもがかかる感染症では、そこまでの高熱はでませんし、40℃が続いても脳に悪影響がでることはありません。 「高熱が脳に影響する」というイメージは、脳症・脳炎・髄膜炎などの、高熱を伴う「脳の病気」からきていると思います。これらは、そもそも脳にダメージを与えることがある病気で、後遺症の心配もあります。すぐに受診してください。
―― 子どもが発熱したとき、脳に影響がある病気なのか、いわゆるかぜなのか、判断する目安はありますか?
脳の症状が出る
回答:福井聖子さん 高熱が出ているけれど、いつものように眠っているような場合は大丈夫です。脳症・脳炎・髄膜炎などの脳の病気は、脳の症状が出ます。意識がもうろうとしている、受け答えがおかしい、呼吸が速い、呼吸が深い、けいれんするなどです。このような場合は、すぐに受診してください。これらの症状以外でも心配なら受診しましょう。
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