乳児湿疹のときのスキンケア、せっけんを使う? 使わない?

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2023/11/11

出典:すくすく子育て[放送日]2023/11/11[再放送]2023/11/16

息子が生後25日ほどのとき、顔にぶつぶつができて耳たぶがグチュグチュした状態になりました。1か月健診とき、小児科医から「乳児湿疹」と診断され、「患部をせっけんでよく洗うように」と指示がありました。そのとき私はやさしく洗うようにしていたのですが、「もっとゴシゴシ洗っていいよ」と教えられて、強めに洗うようにして、保湿もしっかりしました。でも、それでよくはなりませんでした。
後日、小児皮膚科を受診すると、おしりや脇、頭などのにおいが強いところだけせっけんを使い、他は使わないようにと指示を受けたんです。言う通りせっけんを使わずお湯で洗い、薬を塗る処置をしたところ、1週間後に乳児湿疹が治りました。どうして医師の意見が違ったのか、せっけんを使わなくてよかったのか、モヤモヤした気持ちが残っています。
(お子さん9か月のママ)

乳児湿疹は乳児期に現れる湿疹の総称

回答:馬場直子さん

そもそも「乳児湿疹」は病名ではありません。乳児期に現れる湿疹の総称です。「乳児脂漏性皮膚炎」「新生児ざそう(にきび)」「乳児アトピー性皮膚炎」などを全てまとめて「乳児湿疹」と言います。

乳児脂漏性皮膚炎・新生児ざそう(にきび)・乳児アトピー性皮膚炎

お子さんの場合は顔だけでしたが、顔に限らず、乳児期にみられる全身の湿疹で、最初に診断されやすいのが「乳児湿疹」なのです。

せっけんで強く洗うことでバリア機能が落ちた可能性も

回答:馬場直子さん

大人のようにせっけんやボディソープをたっぷりつけて丹念にしっかり洗うと、赤ちゃんのデリケートな肌には刺激になってしまうことがあります。強めに洗ったことでバリア機能が落ちたのかもしれません。一方で、せっけんを使わずにお湯だけで洗う場合は、油汚れが残ったり、毛穴がつまりやすかったりして、それがトラブルにつながる可能性があります。

そこで、赤ちゃんの洗い方について助産師の布施明美さんに教えてもらいました。

赤ちゃんの洗い方

赤ちゃんの洗い方
解説:布施明美さん(助産師)

シャワー浴がおすすめ

1か月までの赤ちゃんの場合、湯船の中でもく浴をする人が多いと思います。ですが、湯船の中で洗うとお湯が汚れてしまうため、きれいにならない可能性があります。

シャワー浴

そこでおすすめするのは「シャワー浴」です。もく浴を卒業した乳幼児にもいいですよ。

まず、ベビーバス用のスポンジを敷き、赤ちゃんを乗せます。

かけ布をして38℃ぐらいで全身を温める

いきなりお湯をかけると驚いてしまうので、布をかけて、38℃くらいのお湯で全身を温めます。

1. 頭皮を洗う

1.頭皮を洗う

最初に、頭皮を泡で洗います。頭皮は油分が多いので、指の腹で円を描くよう少し力を入れて洗い、顔にかからないようお湯で流します。

2 .顔を洗う

2.顔を洗う

次に、顔を洗います。顔もたっぷりの泡で洗うようにしましょう。特にTゾーンは脂っこいのできれいに洗います。
顔を流すときは、腰を90度に座らせてひたいから流します。最初は驚いて泣くこともありますが、次第に慣れていきます。

3. 手足と体を洗う

3. 手足と体を洗う

手足と体を摩擦が起きないようたっぷりの泡で洗います。背中を洗うときは、座らせると洗いやすいです。

性器と肛門は最後

性器とおしりの穴は汚れている可能性があるので、最後に洗いましょう。

4. 湯舟につからせる

4. 湯舟につからせる

湯船に入れるなら、きれいになったこのタイミングです。38℃くらいのお湯に2~3分浸からせるとリラックス効果があります。もし泣いてしまった場合は、両手をおなかの前でおさえてあげるといいですよ。

5. タオルで拭く

5. タオルで拭く

そして、事前に用意していたタオルで拭いてあげます。拭き取るのではなく、おさえ拭きをすることを心がけましょう。

6. 保湿

6. 保湿

お風呂上がりは、5分以内に保湿をすることがとても大切です。入浴後5分を過ぎると、赤ちゃんの肌は一気に乾燥します。まだ潤いが残っている5分以内に保湿剤を塗ることが肝心なのです。
特に、首まわりや脇の下、足の付け根など、しわになりやすいところは入念に塗りましょう。男の子の場合は、性器の周りの皮膚どうしが接している部分もきちんと塗るといいですね。



―― 保湿剤には、クリーム、ローションなど、いろいろな種類がありますが、どう使い分けたらいいですか?

保湿剤は季節や肌質に応じて変えていく

回答:馬場直子さん

保湿剤にはいろいろなタイプがあり、水分や油の多さが異なります。「フォーム」や「ローション」は水分が多くさっぱりとして、「乳液」「クリーム」「軟膏」の順番に、だんだん油が多くなります。

フォーム・ローション・乳液・クリーム・軟膏

冬など乾燥する季節は、クリームや軟膏のようにしっかり油を補うものが乾燥しにくくなります。夏など湿度が高い季節は、油が多いとベタベタするので、フォームやローションなど、さっぱりと塗りやすいものにする。そのように、季節によって塗り分けるといいでしょう。
夏でも肌が乾燥するなど、肌質によっては夏でもクリームタイプがよい場合があります。どれも一応の保湿効果はあるので、あまりこだわらずにシチュエーションに応じて使うといいでしょう。
すくすくファミリー

下の子が、乾燥性の皮膚炎によくなりました。ローションでは全くよくならず、いろいろ調べたら「にがりの入浴剤がとても効く」という口コミがありました。使ったところスッとよくなりました。
馬場直子さん

にがりに限らず、いろいろな保湿成分の入った入浴剤が市販されています。お湯に入るだけで、全身に保湿成分がコーティングされるので、効率よく保湿剤を塗る効果が期待できます。
ただし、大人が使う入浴剤には、香料や着色料、防腐剤などが入っている可能性もあります。それらの成分に合う・合わないがあり、かぶれてしまうこともあります。すぐに全身に使わず、はじめは片腕だけなどで何回か試し、赤くなったりかゆくなったりしなければ全身に使ってみるほうがいいでしょう。

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