小児がん治療後の副作用とは?
小児がん治療後の副作用はどんなものなのでしょうか。まずは、四郎さん(15歳)のケースを紹介します。
11年前、脳腫瘍と診断された四郎さん(15歳)。脳にできたがんの大きさは約3cmで、手術が行われ、無事がんを取り除くことに成功しました。手術後は、再発を防ぐため、抗がん剤と放射線による治療を受け、そのおかげか再発せず11年が経過しています。 しかし、治療による影響は今でも残っているそうです。例えば、いろんなことを同時に行うことが苦手だったり、疲れやすかったり。さらに、脳にあてた放射線の影響で、6年前から成長ホルモンの分泌が低下して、週に6日、注射でホルモンを補充しています。小児がんは、治療が終わってからの人生が長いため、こうした治療後の副作用を少なくすることも課題となっています。 しかし、四郎さんはあまり副作用にとらわれず、前向きに生きようと考えています。「あまり悩まないです。みんな違ってみんないいと思っているから」といいます。親も、親が必死に元の生活に戻すことや社会の基準の中に入れようとするのではなく、子どもが自分を責めずに楽しく暮らしてほしい、と考えているそうです。
―― 小児がんの治療には副作用があるのですか?
副作用はがんの種類や治療法によって違う
回答:松本公一さん 成長期に抗がん剤などを使うので、合併症が起こりやすい場合もあります。ただ、がんの種類や治療法によって大きく違います。脳腫瘍の治療は、どうしても影響が大きいのかもしれません。例えば、固形がん(血液がん以外のかたまりを作るがん)の治療で使う薬が、心臓や耳の聞こえに影響することはあります。
白血病は8~9割が治る時代、なるべく副作用が出ない治療が行われる
回答:松本公一さん 現在、白血病は8~9割が治るような時代になっています。治療は、できる限り少ない薬の量で最大限の効果が出るように、できるだけ退院後の副作用が出ないように考えています。
―― こうした副作用は、大人になっても続くのですか?
治療法や人によって違いがある
回答:松本公一さん 大人になってからも副作用が続く人もいます。治療によっても大きく変わり、人による部分があるので、一概には言えません。
コメント:佐藤さん(仮名) 今は長男が退院して1年で、まだ先のことはわかりませんが、自分でネットの情報を調べ過ぎるとより不安になってしまいます。逆にあまり調べず、先生たちを信じて頑張っていきたいと考えています。
―― 小児がんの治療は、子ども自身だけでなく、親や家族も不安や孤独を感じることも多いように思います。
親も子も、一人で悩むのはよくない
回答:松本公一さん そうですね。親はどうしても病気の子にかかりっきりになってしまいます。でも、きょうだいや家族のこと、いろんなことを考えないといけません。親も子も、一人で悩むのはよくないと思います。
PR