もうひとりの親のこと、どう伝えればいい?

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2023/01/07

出典:すくすく子育て[放送日]2023/01/07[再放送]2023/01/12

半年ほど前に離婚して、9か月の女の子を育てています。今後、もうひとりの親のことを聞かれたら、そのつど説明しようと思っていますが、避けたほうがいい表現はありますか? 子どもが自分の存在を否定することがないように伝えることができればと思っています。
(お子さん9カ月のママ)

いろいろな家族があると正直に話す

コメント:スザンヌさん

子どもが小学校に入ったころ、「どうしてパパと一緒に住んでないの」と聞かれ、「このときが来た」と思いました。聞かれたらきちんと説明するつもりだったので、「離婚して一緒には住んでいないけど、パパもママもあなたのこと大好きだから、一緒に住んでいても、住んでいなくても変わらないから安心してね」と伝えたんです。子どもは「ああ、そうなんだ」という反応でした。
子どもは自分の家のことしか知らなかったので、「他の家は毎日パパがいるんだ」と感じるようです。うちはうちで、いろいろな家族があると正直に話すようにしています。

子どもの年齢に合わせ、わかる範囲で「事実」を伝える

乳幼児期の心の発達を研究している遠藤利彦さん(東京大学大学院 教授)にも話を聞きました。

回答:遠藤利彦さん

離婚や死別など、もうひとりの親のことを伝えるときは、子どもの年齢に合わせ、わかる範囲で事実を伝えることが大切です。子どもを悲しませないように作り話をすると、かえって「お父さんは自分のことを嫌って家から出て行ってしまった」といったゆがんだ思い込みを招き、心の傷になってしまう可能性もあります。

離婚の場合は、子どもが小さいうちは“離れて暮らすことになった事実”を、少し年齢が上がり、わかるようになってきたら、“夫婦ではなくなった離婚の事実”を、子どもがわかる範囲で丁寧に伝えます。場合によっては「会うこともできるから、会いたくなったら言ってね」など、子どもの気持ちを尊重することも大切です。

死別の場合は、“亡くなってもう会えない存在になったこと”を丁寧に説明します。「天国に行った」という表現は、大人でも一般的なので、表現自体に問題はありません。また、子どもが、人が亡くなることがどういうことなのかを理解するためには、一連の儀式に子どもを参加させることが重要だといわれています。

伝える上で大切なことは、事実を聞いて悲しんだり驚いたりする子どもをきちんとケアすることです。例えば「男の子だから泣かないよ」などと言って我慢を強制すると、結果的に心の傷につながることがあります。泣きたいときはたくさん泣いていい。「悲しいね」と共感しながら、「悲しいけどね、お母さんいるから大丈夫だよ」と言って、崩れた感情を回復させることを心がけるとよいでしょう。

相手を悪く伝えない、相手の否を強調しない

回答:赤石千衣子さん

事実であっても伝えにくいこともあります。例えば、借金の問題や、債務整理といったことまで伝えなくてもよいでしょう。また、子どもにとってはもう一方の自分の親なので、相手を悪く伝えたり、相手の否を強調したりしないことがルールだと思います。

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