赤ちゃんが泣いてもだっこしかできない、どうしたらいい?
(お子さん1か月のパパ)
(お子さん1か月のママ)
最新研究の「泣きやませ」に挑戦
2022年9月、黒田公美さん(理化学研究所)が関わった最新研究の成果が発表されました。その名も「赤ちゃんの泣きやみと寝かしつけの科学」です。この研究を踏まえれば、赤ちゃんが泣きやむだけでなく、寝かしつけの成功率が上がるといいます。
※生後1か月~7か月ぐらいまでの赤ちゃんに有効な方法です。生後1か月未満の赤ちゃんや、筋力が弱いなど、心配がある赤ちゃんには行わないでください。
今回、2ステップでできる簡単な方法で、ご相談のパパに挑戦してもらいました。
ステップ1 だっこ歩き
まずは、泣いている赤ちゃんを抱きあげます。そのまま、だっこしながら5分間歩きます。
※つまずかないように足元の安全を確保しましょう
ポイントは、赤ちゃんをあやそうとするのではなく、一定のリズムを保ちながら淡々と歩くこと。部屋の中を回るように歩きます。
これは、哺乳類の子どもが親に運ばれるときに泣きやんでおとなしくなる「輸送反応」を利用しています。野生動物の赤ちゃんが親に運ばれるときは、外敵に狙われるなど命の危機が迫っているときです。泣いたり、暴れたりすると安全に運んでもらえないので、おとなしくなるのです。
4分を過ぎたころには、眠っているようにみえます。ここまでは以前「すくすく子育て」で紹介した方法です。
ステップ2 だっこしたまま座る
ここからが、最新研究を踏まえた方法です。歩くのをやめて、すぐにベッドには寝かせず、だっこしたまま8分間座ります。この時間で赤ちゃんは深い眠りにつき、ベッドにおろしたときに眠り続ける確率が上がるといいます。
そうして8分後、ベッドに寝かせてみます。
見事成功かと思いきや… 30秒後に泣き出してしまいました。
コメント:黒田公美さん 惜しいところまでいっていましたね。ベッドにおろして30秒の間に、1度眠りに戻りそうな瞬間もありましたが泣いてしまいました。 パパが半袖でいることを考えると、赤ちゃんが少し厚着かもしれません。一緒に5分歩くと、お互いに暑くなります。赤ちゃんは暑いと熱を逃がさないといけないので、眠りにつきにくいのです。薄着にしておいて最後に何かをかけるより、厚着から服を脱がすほうが難しいので、歩きはじめる前に少し薄着にしておくとよいかもしれません。
―― 「8分間座って待つ」というポイントがありましたが、これはなぜですか?
眠りが浅いときは刺激に敏感
回答:黒田公美さん 赤ちゃんが眠ってから平均で約8分間は、やや浅い眠りだといわれています。これは大人も同じです。赤ちゃんの眠りが浅いときは、ちょっとした物音や刺激で起きやすいわけです。歩いているときも刺激があるので、眠ったあと、あるいはウトウトしてきたら、座って待ったほうが眠りを深めるのに役立つことが、実験の結果から考えられました。
コメント:古坂大魔王さん(MC) わが家でも、この方法をしてみましたが、8割ぐらいうまくいきました。最後、ベッドにおろすときは慎重になりますね。息を止めて、少しずつ腕をずらしています。
―― 眠った赤ちゃんをベッドにおろすときは、どのようにするのがよいでしょうか?
すぐに体を離したほうがいい場合も。泣いても触らず見守る
回答:黒田公美さん 私もゆっくり離れるのがよいと思っていましたが、実験の結果は違いました。すぐに離していい場合もありえます。ゆっくりでうまくいかないときは、試しに赤ちゃんをすっと置いて離れてみてください。 実は、赤ちゃんは置かれたときではなく、体から離れるときに驚いて少し起きかけます。ですが、眠りが十分深まっていれば、体が完全に離れたあと、眠りに戻っていくことができます。離れる時間が長過ぎると、かえって眠りに戻れない場合もあります。すっと置いたあとに泣いても、触らず見守ることも試してみてください。
子どもにあった方法を見つけていく
回答:岩佐寛子さん 紹介された方法もひとつの方法として知っておくとよいですね。ベッドに寝かせるタイミングなども、子どもによって違いがあります。子どもの状態を見ながら、その子に合った泣きやませ方を見つけていくのがいいでしょう。
コメント:古坂大魔王さん(MC) 確かに、いろいろな方法を調べても、子どもによって違うと思っていたほうがいいですね。例えば「8分待ったのに泣いた」ではなく、あくまで平均値で、おおよそ8分ぐらい待つと知れたことがよかったと思います。
コメント:鈴木あきえさん(MC) このような方法も知っておくと、泣かれたときに「あの方法を試してみよう」と思えるので、少し楽な気持ちになりますね。
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