「性」について、子どもにどう教えたらいい?
この春、幼稚園に入園した娘が、ある日「男の子と女の子のトイレはどうして別なの?」と聞いてきました。「男の子が一緒だと恥ずかしいよね」と答えましたが、娘は「女の子でも恥ずかしい」と言います。いざ教えるとなると、何をどう伝えればよいのかわからず、うまく答えられません。
好奇心旺盛な子で、それからも性器や生理のことをいろいろ聞きたがります。「性」について、子どもにどう教えたらいいのでしょうか?
(お子さん3歳のママ)
好奇心旺盛な子で、それからも性器や生理のことをいろいろ聞きたがります。「性」について、子どもにどう教えたらいいのでしょうか?
(お子さん3歳のママ)
自分の体が大事なこと、男女や大人と子どもの体の違いを伝える
回答:北山ひと美さん 性教育は生殖の話だけではありません。幼児期の性教育では「自分の体がとても大事なこと」「男の子と女の子の体の違い」「大人と子どもの体の違い」がポイントになります。特に小さなころは、「自分の体が大事であること」が基本になります。自分の体が大事だとわかれば、相手の体も大事だとわかります。その上で、どんな関係をつくっていくのか、そのものが大きな性教育だと思います。
世の中のルールを伝えることも大切
回答:北山ひと美さん 体のことを伝える一方で、「裸になってはいけない場所がある」など、世の中のルールを伝えることも大切です。
何歳から性教育するのがよいでしょうか?
聞かれたときがチャンス。ごまかす・うそをつくことはしない
回答:北山ひと美さん 性教育を始める適年齢はありません。子どもによって違います。まずは、子どもが「性」について聞いてきたときが話すチャンスです。そのとき子どもがわかりそうなところまで伝えていきましょう。 伝えるときは、ごまかす・うそをつくことはしないでください。その後「ママが言ったことはうそだったの?」となるのはよくありません。わからない場合は、「調べてから話すね」と言っておくのもいいでしょう。ほかにも、「性」を扱った絵本は小さい子どもにも理解しやすいので、力を借りてみるのもいいですね。
自分の性の知識が正しいのか自信がないときがあります。伝え方のポイントはありますか?
対話の中から学んでいくことも重要
回答:岩室紳也さん 伝えられる人が伝える。できる人が、できることを、できるときにやることが基本です。伝えることにためらいがあっても大丈夫です。例えば、私の両親は性のことを一切口にしませんでしたが、それもまた「性」なのです。お子さんにトイレのことを聞かれたときに、「一緒だと恥ずかしいよね」「女の子同士でも恥ずかしい」と話していましたが、すばらしいことだと思います。正解を教えるのではなく、「家では一人で入るよね」「幼稚園だとトイレに行くところを見られても恥ずかしいね」というように、対話をしながら一緒に考えていく・学んでいくことがとても重要なのです。ことばに詰まる自分がいてもいいし、ほかの誰かに伝えてもらうことも大事です。性器の違いなど、段階を追って話す内容をレベルアップしていきましょう。
性教育では「恥ずかしい」という感覚も大事
回答:岩室紳也さん 性教育では、「恥ずかしい」という感覚がとても大事だと思います。恥ずかしさがブレーキになることがたくさんあるのではないでしょうか。「外では恥ずかしい」と感じる経験は、社会性を学ぶことにもつながります。
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