食物アレルギーとのつきあい方は?

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2022/07/16

出典:すくすく子育て[放送日]2022/07/16[再放送]2022/07/21

娘が9か月のとき、アユをあげてみると30分泣き続け、30分後におう吐して、病院に行きました。魚アレルギーだとわかりました。経口負荷試験で安全に食べられる魚の種類や量もわかり、治療のために少しずつ食べることにしたんです。
その後、娘は4歳になり、いろいろわかってきて「魚は食べたくない!」となっています。焼き魚など、魚だとわかると嫌がるので、練り物などをあげています。それでも、月に2~3回がやっとです。アレルギーで嫌いになった食材をどう食べさせればよいでしょうか。
(お子さん4歳のママ)
娘(5歳)が生後8か月のとき、耳かき1杯の卵白をあげたところ、急に泣きだし全身にじんましんが出ました。せきをして、意識もわからない状態で病院に行き、アナフィラキシーだろうと言われました。
卵アレルギーの治療のため、家庭でも少しずつ卵を摂取するようになったのですが、体調が悪いとじんましんが出たり、おう吐します。私も娘が苦しむ姿を見たくない、娘も食べるのが嫌で、なかなか進まない時期もありました。がんばって食べ続けて、今では加熱した卵であれば症状が出ないまでに改善しました。
でも娘は、卵焼きはもちろん、卵のにおいがするものまで嫌いになってしまいました。どうにかできないかと、卵を使うハンバーグ作りを手伝ってもらうなど、工夫を重ねています。アレルギーで嫌いになってしまった卵を、食べたい気持ちになるには、どうしていけばいいでしょうか。
(お子さん5歳・2歳のママ)

不信感が生まれないように「〇〇入っているけど」など、やさしく声かけを

回答:高松伸枝さん

アレルギーの治療をよく頑張っていると思います。微量では症状が出ないようになり、リスクが下がったと考えると、外出するときも少し安心することができると思います。
卵のアレルギーがある子は、色や匂いが気になることが多いようです。ほかの料理に混ぜて食べる、マスキングという方法もひとつです。でも、細かく切るなどわからないように入れて、もし症状が出ると、子どもが不信感を持ってしまうことがあります。あらかじめ、「〇〇が入っているけど」などやさしく声をかけ、子どもとよく話をして、それから好きな料理を作っていくパターンのほうがよいでしょう。

楽しい雰囲気の中で、安全な量を少しずつ食べ続ける

回答:高松伸枝さん

ハンバーグ作りを手伝ってもらいながら練習するのは、とてもよい方法ですね。やはり、食べることは楽しいこと。その雰囲気を、家庭で少しずつくっていきましょう。楽しい雰囲気の中で、安全な量を少しずつ食べ続ける、スモールステップでいいのです。

食べない期間が長くなると治りにくくなる・再発のリスクも

回答:大矢幸弘さん

食べられるものを、安全な量でおいしく食べていくと、少しずつ食べる量が増えていき、バリエーションが豊かになっていくと思います。継続して食べていくことが大事です。食べない期間が長くなると、治りにくくなったり、再発のリスクも出てきます。
アレルギーのある食材と、どう向き合っていけばよいでしょうか?

治り方にも個人差があるので、親がゴールを決めない・焦らないことが大事

回答:大矢幸弘さん

食べられる形で、安全に毎日おいしく食べていれば大丈夫です。治り方には個人差があり、どんどん食べられる量が増える子もいれば、ゆっくり進む子もいます。でも、どんな子どもでも、安全に食べていれば、食べられる量が増えていくのです。
そのため、親のほうが「小学校になるまでに治したい」といったゴールを決めないこと、焦らないことが大事です。子どもにとってもよくありません。子どものペースに合わせて、気長に取り組んでいきましょう。
気をつけながら食べさせていても、症状が出ることもあります。親のほうが、心が折れてしまいそうです。

体調が悪いときは無理に食べさせない。症状が出たら医師に相談

回答:大矢幸弘さん

家庭で症状が出ないようにするのは、とても大事なことです。症状が出ると、本人が嫌いになってしまいます。そのため、体調悪いときには無理に食べさせず、やめておきましょう。とにかく、毎日症状が出ないように安全に与えていくことがポイントです。家での摂取で症状が出たら、医師に相談して量などを見直しましょう。

同じ食物アレルギーの経験者と話す機会を作る

回答:高松伸枝さん

食物アレルギーについて同じ経験を持つ友人や家族の方と、話をする機会があればありがたいですね。患者会がある専門の機関もあります。そういったところで同じような話を聞いて安心したり、相談したりしながら、目標を持つことができると思います。

心理的なアレルギーが外れて、食べられるようになることも

回答:大矢幸弘さん

ある子どもが、小学生のときに経口免疫療法をして、卵1個を食べられるようになりました、でも、がんばって卵を食べさせていたためか、卵嫌いになり、「成功したから、もう食べない」と言い出すほどでした。それが、中学校に入ったら、友人が親子丼を食べるところを見て、急に自分も食べたくなったそうです。それから、心理的なアレルギーが外れて、食べられるようになりました。
このケースのように、いろんな要因があります。私たちは、免疫的なアレルギーを一生懸命に治そうとしていますが、心理的なアレルギーのほうが難しいこともある。そこにも注意しながら治療をしていくことも大事だと思います。

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