子どもが卵アレルギー。「少しずつ試す」と言われたけど心配…
生後8か月のときに卵アレルギーの診断を受け、小児科で「1歳半までは完全除去(全く与えない)」と言われました。ですが、今、住んでいる地域の保健士さんからは「完全除去ではなく、少量ずつ試しながら進めてはどうか」とアドバイスを受け、改めて小児科で相談したところ、「血液検査の値も高くないので少しずつ食べていく」という方針に変わりました。でも、最初に完全除去と言われたこともあり、卵を試すのが心配で、ほとんど与えていません。どう治療していけばよいでしょう?
(お子さん1歳2か月のママ・パパ)
(お子さん1歳2か月のママ・パパ)
治療の基本は、全く症状の出ない少量を継続的に
回答:大矢幸弘さん 食物アレルギーになってすぐ、しばらく食べないでいると自然に治る人も、治らない人もいます。それは、すぐにはわかりません。 食物アレルギーの治療の基本は、全く症状が出ない程度に、少量を継続的に食べていくことです。だんだん食べられる量が増えていきます。勇気を出して食べる・無理に与えるのではなく、安心してあげられる安全な量だけ食べさせるのが治療のコツです。
アレルギーと診断されたものを家庭で食べさせるのは、少し怖い気持ちがあります。
食物経口負荷試験でどれぐらい食べられるかわかる
回答:大矢幸弘さん 一度、病院で食物経口負荷試験を受けてみましょう。食材をごく少量から食べ、安全に食べられる量を計測する試験です。この試験で「〇〇を何グラムまで食べられる」といったことがわかります。それよりも少ない量で開始すれば安全です。例えば、その量の1/100、1/1000であれば、まずアレルギーは起こりません。
乳幼児期に発症した鶏卵アレルギーは、小学校入学までに7割近くが改善
回答:高松伸枝さん 乳幼児期に発症した鶏卵アレルギーは、おおよそ3歳までに3割、小学校入学までに7割近くが改善するといわれています。原因食物を、毎日、または1日おきに食べ続けることが大事になります。かかりつけの医師と相談しながら、よくなることを目標に進めていきましょう。
治療中の子どもを見守る親にできることはありますか?
誤食に注意
回答:高松伸枝さん 家庭では、誤って食べてしまう「誤食」に注意してください。例えば、まだ子どもが小さいころ、症状が重たいときは、台所に近づけないようにすることも大事だと思います。
食物アレルギーの自覚、安全な食べ物を選ぶ力を
回答:高松伸枝さん 子どもが就学前のころには、ほかの人に「わたしは〇〇アレルギーなんだ」のように伝えること、「これ食べていい?」「〇〇入ってる?」などを確認することが大事になります。伝えること・確認することができるように家庭で「言う練習」をしておきましょう。 また、買物で食べることができるおやつを自分で選ぶ練習もしてみましょう。そういった練習を通して、食物アレルギーであることを自覚し、安全な食べ物を選ぶ力が養われていくと思います。
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