だっこひもをより快適に使うには?
(お子さん8か月・3歳のママ)
だっこひも調整のすすめ
まずは、平尾時栄さんに、ふだんのだっこひものつけ方を確認してもらいました。
まずは、背中のバックルの位置を調整しましょう。今は首に当たっていてるので、首で支える形になり、体重がうまく分散できません。背中のバックルを肩甲骨の下あたりにすると、子どもの体重が分散され、首や肩の負担が軽減されます。
※メーカーによって最適な位置が違います。取扱説明書を確認してください。
バックルの位置が下がって、バックルをとめるときに手が届かない場合は、バックルをつけた状態で頭からかぶって装着してみましょう。
続いて、子どもの姿勢を、親に抱きつきやすい形に整えます。お尻よりひざが高くなるような姿勢をイメージして、お尻から太ももを持ち上げます。骨盤からくるっと手前に巻きつけるように自然に整えると、より密着できて、だっこが安定します。
最後に、背中のベルト幅を、今よりも狭めたほうが背中の負担が軽くなると思います。
だっこひもでも「高め・密着・子どもの姿勢」を意識する
回答:平尾時栄さん よく「どのメーカーがいいですか?」と質問されますが、自分の体のサイズに合わせられる・調整できるものを選ぶのがよいと思います。快適なだっこのポイント「高め・密着・子どもの姿勢」は、だっこひもを使うときも同様です。ポイントに気をつけて調整すれば、負担が少なくなると思います。
(お子さん8か月のママ)
おろす・体勢を変えるなど、親子が疲れない適度な間隔を
回答:小崎恭弘さん 保護者としては気になるところですよね。例えば、大人で考えてみると、ずっと同じ姿勢でいるのはつらいことだと思います。子どもにとっても同じです。おろしたり、体勢を変えたり、休憩をしたりすることを意識してみましょう。状況によっては、長くだっこしないといけない場合もあると思いますが、親も子も疲れ過ぎない、適度な間隔を心がけましょう。
だっこひもの事故に注意!
だっこの負担を軽くしてくれる、便利なだっこひも。一方で、使い方を間違えると重大な事故につながることがあります。
子どもの事故予防にくわしい小児科医の坂本昌彦さん(佐久医療センター/小児科医)に話を聞きました。
乳児の頭部打撲で入院した事例を調べたところ、原因の約半分(※1)がだっこひもやスリングなど乳幼児用品からの転落による事故でした。実際に、次のような事例が起こっています。
※1 入院35例のうち18例が乳幼児用品からの転落
事例1/4か月の子どもをだっこひもに入れて外出中、かばんから財布を出そうと前かがみになったところ、脇から子どもが滑り落ちてしまった。
事例2/10か月の子どもをヒップシートに座らせて移動中、落としたおもちゃを拾おうとしたら、支えている手がゆるんで子どもが後頭部から転落した。
赤ちゃんは頭が大きいので、落ちるときは頭が下になってしまいます。だっこされている高さは、70cmから1mぐらいで、子どもにとっては非常に高く、落ちると大きなけがにつながる可能性があります。まずは、幼児用品の使い始めに取扱説明書をしっかり読んでください。
また、装着するときのチェックポイントを、ひとつひとつ確認することが事故の予防につながります。
こちらは、だっこひもからの転落事故を予防するためのリーフレットです。
「バックルの留め忘れはないか」など、転落予防の注意点がまとまっているので参考にしてください。事故の話を聞くと、怖いと思う方が多いかもしません。ですが、むしろあらかじめ事故が起きるリスクを知ることで、事故を予防する対策ができて、安心して使うことができます。
PR