子どもの個性をどこまで尊重する? しつけとの線引きは?
娘の個性を大切にしたいと考えています。個性を伸ばしていけるように、できるだけ自由にさせていたのですが、今は自由としつけの線引きが難しくなってきたと感じています。もうすぐ3歳ですが、ほしいものをねだったり、だだをこねたり、みんなと一緒のことができないことが増えてきました。自由にさせすぎて、言うことを聞かなくなったのではないかとも思えます。自由にさせることとしつけの線引きをどうしたらいいでしょうか。
(お子さん2歳9か月のママ)
(お子さん2歳9か月のママ)
「自由」と「放任」は違う
回答:川田学さん 2~3歳ぐらいになると、「わかっていて、やっている」ことがでてきて、このままではいけないのではないかと考えてしまいますよね。そこで考える「自由」と、子どものやりたいままにさせる「放任」は違うと思います。私は、しつけは「たこ揚げ」に似ていると考えています。たこは、糸が切れてしまうと飛んでいってしまうし、糸が太すぎたり、糸を強く引き過ぎたりすると揚がりません。何でも自由にさせることが、“糸の切れたたこ”になってしまってはいけません。
「わがまま」なときには親の気持ちをしっかり伝える
回答:柴田愛子さん 自由にさせていたから自己主張するようになったというより、いわゆるイヤイヤ期に入っているのだと思います。子どもは「私のまんま」を乱発していると思いますが、親も生身ですから、嫌なことは「イヤ」と言ってみましょう。子どもがわがままを言うなら、親だって「私は寝てほしいのよ」とわがままを言って、気持ちを子どもに伝えていい。子どもも親も自己主張して、お互いに泣いたりしながら、折り合っていけばいいと思います。
子どもは「ことば」ではなく「経験」で変わっていく
回答:柴田愛子さん 子どもに直してもらいたいところがあって、親が直そうと思って働きかけても、直るものではありません。ことばでコントロールしようとしても、あまりうまくいかないでしょう。子どもは、人に嫌われたり、ドキッとしたり、そのような経験で変わっていくと思います。
成長・発達は波のように変化する
回答:川田学さん 人間の成長・発達で興味深いところは、前向きで外向的・社交的に見える人が、意外とずっとそのままではないことです。成長とともに、内向的になることもあります。いろいろと学んで何かを知ることで、はたと自分のことに気づいて、周りを見渡すと恥ずかしくなることもある。子どもの成長・発達は、波のように、寄せては引くように変化していきます。親は、そのとき最善と思うことをやっていくしかないと思います。
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