授乳がつらくて悩んでいるとき、どうしたらいい?
番組には、ほかにも授乳で悩んだ経験を持つママの体験談が寄せられています。
生後2か月のとき、母乳をやめました。 乳首が切れて、乳頭保護器をつけて授乳していましたが、傷が治らない状態が続きました。とても痛くて、赤ちゃんに血を飲ませているような感じがして、「大丈夫かな、かわいそうだな」という思いもありました。 それでも、母乳をやめると決めるまで時間がかかりました。「母乳を飲む赤ちゃんの権利」を奪うような気がしていました。私がやめると赤ちゃんは飲めなくなるので、申し訳ないという気持ちでした。 (お子さん3か月のママ)
母乳が多すぎることに苦しんでいます。 出産直後から母乳が過剰に作られる状態になって、飲ませても飲ませても母乳が止まらない状態でした。乳腺炎を繰り返し、手術したこともあります。和食中心の食事にして、水分も制限し、体重は30キロ台まで落ちました。 それでも母乳の分泌が減ることはなく、精神的にもかなり追い詰められました。私自身、こんなパターンがあることを出産後に知ったのですが、産む前のママにも知ってもらえるといいのではないかと思います。 (お子さん5か月のママ)
乳首が切れるのは、みなさんが思っている以上に痛い
回答:石川紀子さん 乳頭・乳房のトラブルで母乳外来にいらっしゃる方は結構います。乳首が切れるというのは、みなさんが思っている以上に吸われると痛いのです。そのため、授乳が恐怖に感じたりします。
母乳分泌過多は、授乳自体が大変になる
回答:石川紀子さん 母乳分泌過多は「たくさん出ていいじゃない」と思う方がいるかもしれないが、授乳自体がとても大変になります。あふれるように出てしまうので、赤ちゃんが短時間にたくさん飲んで、大きなげっぷと一緒にたくさん吐いてしまうこともあります。食事についても、「これでおっぱいが張ったらどうしよう」と心配になってしまいます。 手術もされたようで、本当に大変だったと思います。5か月まで続けてこられて、もう十分されたんだなと思いました。
頑張るのはママではなく、家族・地域・社会
回答:笠井靖代さん 私が勤めている病院では、「母乳外来」を「授乳サポート外来」という名称に変えました。「母乳外来」だと、母乳のことだけしか相談できないと思われがちです。でも、ミルクの相談はもちろん、育児全般も含めての心配ごとなどにも対応するような体制を整えています。 お母さんたちは、常に「立派な母親でいなければ」というプレッシャーにさらされています。ママは頑張る必要はなくて、頑張るのは家族や、地域・社会ではないかと考えています。
赤ちゃんにとっては「だっこしてもらえた」といった肌感覚のほうが大事
回答:石川紀子さん 「母乳育児がいい」と通説のようにいわれています。でも、赤ちゃんの立場で考えたら、「完全母乳だった」「母乳をたくさん飲ませてもらった」ということよりも、「ぎゅっとだっこしてもらえた」「よしよししてもらえた」といった肌感覚のほうが、赤ちゃんの中に残っているのではないでしょうか。だから、もう少しまわりに頼って、甘えてください。そして、楽しい時間を過ごすにはどうしたらいいかを考えてもいいと思います。
地域の相談先
日本助産師会 ホームページ「全国の相談窓口」
https://www.midwife.or.jp/general/supportcenter.html
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