継母として、どう子どもに関わればいい?
1年ほど前に、2人の子がいる男性と結婚しました。夫は子どもたちに、「前のママとは一緒に暮らすことができなくなって離婚した。これからはこの人と一緒に住む。たまに前のママと会うことができる。パパはずっと子どもたちのそばにいる」と伝えて、私と結婚したいと相談してくれました。父親から話すことで、子どもたちなりに理解して、一緒に暮らしはじめることができたと思います。それまでに子どもたちと交流を重ねて、とてもなついてくれて、子どもたちも一緒に住むことをよろこんでくれました。
もともと保育士で、小さな子どもとのコミュニケーションには支障がないと思っていました。でも、突然母親になって、母親として子どもを育てることは未知の世界でした。「お母さん」と呼ばれたり、突然抱きつかれたりして、重荷に感じてつらかったんです。子どもたちが求めてきているのに応えられない、応えないといけないのにできない。そんな葛藤があります。結婚前は、たくさんだっこしたり、スキンシップしていたのですが、「母として」と考えると難しさを感じます。継母として、どう子どもに関わっていけばいいのか、どうやって幸せな家族をつくっていけばいいのか悩んでいます。
(お子さん2人の継母)
もともと保育士で、小さな子どもとのコミュニケーションには支障がないと思っていました。でも、突然母親になって、母親として子どもを育てることは未知の世界でした。「お母さん」と呼ばれたり、突然抱きつかれたりして、重荷に感じてつらかったんです。子どもたちが求めてきているのに応えられない、応えないといけないのにできない。そんな葛藤があります。結婚前は、たくさんだっこしたり、スキンシップしていたのですが、「母として」と考えると難しさを感じます。継母として、どう子どもに関わっていけばいいのか、どうやって幸せな家族をつくっていけばいいのか悩んでいます。
(お子さん2人の継母)
母としてではなく、あなたという人間との関係を大切に
回答:緒倉珠巳さん 「お母さん」にならなければいけないという思いから、一生懸命頑張っているのだと思います。保育士の経験から、スキンシップなど、どんな関わり方がいいのかを知っているだけに、難しさが増しているのではないでしょうか。 こうあるべきではなく、子どもたちが一緒に暮らせることを喜んでくれたときの、あなたという人間とのあたたかな関係性を大切にしてください。そこから、少しずつ関係を増やしていけると思います。「お母さん」ではなく「ステップマザー」を目指すわけです。
応えないといけないと考えることをやめたほうがいい
回答:緒倉珠巳さん 子どもは突然スキンシップをしてくることが多いので、戸惑いは無理もないと思います。スキンシップに応えないといけないと考えているかもしれませんが、断ってもいいのです。ただ、断るときには、「後にしてね」「今はちょっとやめてくれるかな」と優しく伝えて、別の機会にきちんとコミュニケーションをとる。例えば、ハイタッチやハグなど、できる範囲で触れ合うことで、親密感は増していきます。まず、すべてに応えないといけないと考えることを、やめたほうがいいでしょう。
実父/妻は保育士だったので、子育てに関しての不安はなかったのですが、母親として子どもと接することは全く違うことだとわかって、何度も子育ての悩みについて相談しています。
実の親は継親の話を聞いて、共感してほしい
回答:緒倉珠巳さん 実の親の立場では、継親の気持ちをなかなか実感できないことが多いようです。わからないなりに、パートナーの話を一生懸命聞いてほしいと思います。否定することなく、「そんなふうに思っていたんだね」「それはつらかったね」と共感することが大切だと思います。
理想を目標にしないで、今できることを少しずつ積み重ねる
回答:緒倉珠巳さん このような難しさは、どんなステップファミリーにも多かれ少なかれあります。インサイダーとアウトサイダーの関係も、同様に必ずあります。パートナーが協力して、話し合って、戦略的に関係をつくっていく経験を重ねることで、徐々に違和感を小さくできると思います。理想を目標にせず、今できることを大事にして、少しずつ積み重ねていきましょう。
実親と子どもたちだけの時間も大事。子どもたちもバランスが取りやすくなる
回答:野沢慎司さん 実父とお子さんだけの時間を意識的につくってみてください。遊んだり、お風呂に入ったり、そのような時間をつくるように心がける。その時間は、継母の休み時間にもできます。また、離れて暮らしている実母と過ごす時間もつくると、子どもたちはバランスを取りやすくなると思います。
継母/ステップファミリーであることを、まわりにどう伝えたらいいでしょうか。隠すつもりはないのですが、会った人たちにいちから伝えるのがいいのか、どこまで伝えたらいいのか悩んでいます。
伝えるのはメリットとデメリットがある
回答:緒倉珠巳さん 現在、特に継母の立場では、保育園などで母親としての対応を求められることが多く、大きなストレスになると思います。信頼できる先生であれば、継母であることや、自分のリクエストを伝えておくことが大事です。 ただ、子どもの環境はどんどん変わります。例えば、学校に入学するとき、学年があがるときなど、いろいろな人との関係ができます。継母であることを応援・サポートしてくれる方もいますが、子どものトラブルがあったときに継母であることをネガティブに評価する社会のようなものもあります。メリットとデメリットがありますが、当事者の問題というより、社会の問題だと感じています。
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