ペットが引き起こすアレルギーには、どんなものがあるの?
2か月前に出産したばかりですが、3年前から完全室内飼いの猫を飼っています。うちの猫は抜け毛も多くブラッシングをしていてもなかなか減りません。生まれた息子が猫アレルギーにならないか心配です。
(お子さん2か月のママ)
(お子さん2か月のママ)
ペットを飼う上で気になる「アレルギー」について、小児アレルギーの専門家、大矢幸弘さん(国立成育医療研究センター アレルギーセンター長)に話を聞きました。
ペットのアレルギーは、ほかのアレルギー疾患と同じ症状が出る
回答:大矢幸弘さん ペットが引き起こすアレルギーには、アトピー性皮膚炎など、いろいろなアレルギー疾患と同様に、アレルギー結膜炎、ぜんそく、じんましんなどの症状があります。鼻水、くしゃみ、目のかゆみといった症状がよくみられるので、注目しておきましょう。 また、ぜんそくやアトピー性皮膚炎の診断を受けている方は、ペット以外にも刺激になるものがあるため、判断が難しいと思います。ぜんそくの発作をよく起こして、なかなかコントロールできないといった場合、ペットが原因であることもあります。アトピー性鼻炎を治療しても、なかなかよくならない場合も、ペットのアレルギーも疑ったほうがいいかもしれません。
症状が出る前に、アレルギーを持っているか調べることはできますか?
事前に検査する方法がある
回答:大矢幸弘さん アレルギーを持っているかを事前に検査する方法があります。例えば、採血した血液でアレルゲン検査を行って、犬・猫などの抗原に対して陽性になるか調べることができます。採血の他にも、皮膚に直接アレルゲンを接触させて反応を見る「プリックテスト」と呼ばれるものもあります。 ただし、子どものときに大丈夫でも、大きくなってからも大丈夫とは限りません。年齢が上がるほど「感作※」を受ける人の割合が増えていきます。その点を覚えておきましょう。 ペットを飼っていて、アレルギー疾患があるので気になるという方は、犬や猫、その他ハムスターなど、いろいろなアレルギーを調べることもあります。
※感作(かんさ):アレルゲン(抗原)が体内に入り、アレルギー反応を起こしやすい体質になってしまうこと。
もしも子どもにアレルギーの症状が出た場合、どうすればいいのでしょうか?
ある程度は薬で症状を抑えることができる
回答:大矢幸弘さん ペットによる刺激があっても、ぜんそくやアトピー性皮膚炎など、ほかのアレルギー疾患と同様に、ある程度、薬によって症状を抑えることができます。でも、抑えることができない場合は、体のほうを優先して、ペットを手放すことなどを考えてください。
ペットを手放すときのことも考えておく
コメント:濱野佐代子さん アレルギーを薬でも抑えられない、居住空間を分離しても難しいなど、医師からそういった診断があった場合は、やむをえずペットを手放すという悲しいことが起きるかもしれません。その場合に備えて考えておくことも大事です。ペットを手放すことになったら、責任を持って新しい飼い主を探してあげてください。事前にアレルギーを調べることは大切だと思います。
アレルギーのほかに注意しなくてはいけないことはありますか?
ペットには感染症のリスクもある
回答:濱野佐代子さん アレルギーのほかに、ペットには感染症のリスクもあります。例えば、身近なカメやハムスター、インコなどから感染する病気があります。犬や猫が口元をなめたりするのも注意してください。ペットと適度な距離感を保ち、動物を触ったら手を洗う、排せつ物をすぐに処分するなど、基本的な感染症対策を行うようにしましょう。
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