子どもの貧血が悪くなったらどうなる?
子どもが1歳1か月のときに、軽度の鉄欠乏性貧血だとわかりました。医師からは、薬に頼るほどではないので鉄分を補給できる食事の指導がありました。でも、指導された赤身の肉はパサパサしていて子どもがなかなか食べてくれません。レバーは食べてくれるのですが、メニューがマンネリ化してしまっています。子どもの貧血はよくあると思いますが、悪くなったらどうなるのでしょうか。
(お子さん1歳5か月のママ)
(お子さん1歳5か月のママ)
<鉄分を含む食材について>
鉄が多く、吸収されやすい食材は、特に赤身の肉や魚、レバー、貝類などです。豆類や卵、ほうれん草などは、ビタミンCといっしょに食べると吸収されやすくなります。
早い段階から鉄分を補充する食事が大事
回答:江田明日香さん 貧血の多くの理由は、子どもも大人と同じように鉄不足です。早い段階から鉄を補充する食事が大事になります。 鉄不足が進んで貧血になると、顔色が悪くなったり食欲や注意力が低下するなどの症状があらわれることがありますが、赤ちゃんだとなかなかわかりません。さらに、鉄が不足することで、身体の発育、脳や神経の発達に影響が出ることがあります。 赤ちゃんがおなかの中で母親からもらった鉄のストックは、生後6か月ほどでなくなってしまうので、鉄の補充が必要になります。 鉄分を補給するメニューは、離乳食の時期に不足しがちなビタミンDや亜鉛も補充できます。栄養は食事からとるのが、自然で効率がいいでしょう。鉄不足を予防するような離乳食を、ぜひ心がけてみてください。
鉄欠乏になりやすい子どものタイプはある?
成長のスピードが速い、主に母乳で育っている、早産児など
回答:江田明日香さん まず、成長のスピードがとても速い子どもや、体重がとても増えている子どもです。次に、母乳中の鉄分は少ないので、主に母乳で育っている場合も気をつけましょう。また、早産児の場合は、おなかの中で母親からもらう鉄のストックが十分でないため、鉄欠乏のリスクがあるといわれています。
メニューがマンネリ化しないために、できることはありますか?
鉄分の多い食材といろいろな食材を組み合わせる
回答:太田百合子さん 食品はサプリメントではないので、ひとつの食材にいろいろな栄養素が含まれています。メニューがマンネリ化しないためには、鉄分が多い食材を意識しながら、オレンジ色や黄色など、いろいろなものをカラフルに組み合わせるとよいでしょう。青のりやごまを少しふりかけることでも、簡単に鉄分を強化できます。
レバーは鉄分豊富だがほどほどに
回答:太田百合子さん レバーは、鉄分をいちばんとりやすい食材です。でも、レバーを多くとり過ぎると、ビタミンA過剰症までにならなくても、体内にたまり過ぎてしまいます。ほどほどに使っていただければと思います。
鉄やカルシウムを含むフォローアップミルクを料理に使う
回答:太田百合子さん 9か月以降になると、鉄やカルシウムを含むフォローアップミルクを使えます。シチューの中に入れたり、つぶしたカボチャの中に混ぜると、簡単でミルク味になっておいしく食べられると思います。 ※順調に離乳食が進んでいる場合、フォローアップミルクを母乳や育児用ミルクの代わりに与える必要はありません
ここで、鉄分が取れるように食事を改善したママの体験談を紹介します。
息子は主に母乳で育ち、8か月のときに鉄欠乏性貧血と診断されました。6~7か月ごろバナナしか食べてくれない時期があったので、予想していましたが落ち込みました。それから、病院から処方された鉄を補充する飲み薬のほか、鉄を多くとれるように食事を工夫しています。
例えば、鉄分が強化されたライスシリアルや、レバーのパウダーを活用して、必ず食べるバナナに鉄分を含むものをふりかけたりしています。肉や魚のおかずにかたくり粉や豆腐を混ぜて、大好きなバナナの食感に近づけたりもしました。その効果なのか、およそ1か月で貧血は改善しました。
その後も食欲が落ちたときなどにまた貧血の症状が出ることはありましたが、今はいろいろなものを食べられるようになっています。子どもが貧血になっても落ち込んだり、自分を責め過ぎず、早く専門家といっしょに継続的に改善に取り組むことが重要なことかなと思いました。
(お子さん1歳3か月のママ)
例えば、鉄分が強化されたライスシリアルや、レバーのパウダーを活用して、必ず食べるバナナに鉄分を含むものをふりかけたりしています。肉や魚のおかずにかたくり粉や豆腐を混ぜて、大好きなバナナの食感に近づけたりもしました。その効果なのか、およそ1か月で貧血は改善しました。
その後も食欲が落ちたときなどにまた貧血の症状が出ることはありましたが、今はいろいろなものを食べられるようになっています。子どもが貧血になっても落ち込んだり、自分を責め過ぎず、早く専門家といっしょに継続的に改善に取り組むことが重要なことかなと思いました。
(お子さん1歳3か月のママ)
鉄欠乏になりやすい子は、必要に応じて赤身の肉・魚・レバーをとる
コメント:江田明日香さん 小児科医としては、体重が増えるペースがとても速くて、食事に偏りがあり、思うように鉄分が取れない時期があったという情報があるとき、鉄欠乏や貧血の可能性を考えます。 赤ちゃんが効率よく食べられる鉄が強化された食品は、まだ種類や量が少ないのが日本の現状です。主に母乳で育っている場合は、鉄欠乏のなりやすさを気にかけて、早い段階から、赤身の肉や魚、レバーといったものを食事に取り入れていくといいでしょう。
赤身の肉や魚を早い段階から食べても大丈夫?
鉄分の入っているベビーフードを活用する
回答:太田百合子さん 赤身の肉は、フードプロセッサーなどを使ってポタージュ状にすれば、初期から食べられます。でも、手間がかかり、せっかく作ったのに食べてくれないと、親としてはつらいですよね。5~6か月から使える鉄分を含むベビーフードもあるので、そういったものも活用するとよいでしょう。
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