子どもに質問を繰り返してしまう。悪い影響はない?

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2021/09/25

出典:すくすく子育て[放送日]2021/09/25[再放送]2021/10/02

娘が保育園から帰ってきたときに、「今日は楽しかった? 誰と遊んだ? 何をした?」と聞いてしまいます。自分から話さないので、娘がどう感じたのか、どう話してくれるのかが気になって、答えるように誘導しがちです。自分から話してほしい、将来的に家族で何でも話し合える環境にしたい思いが強過ぎるのかもしれません。
以前、祖母の家にお泊りすることになり、娘も楽しそうにしていたのですが、初めてのことで私が不安になって、「大丈夫?」「夜は一人でおばあちゃんと寝られる?」「お母さんいないよ」のように、何度も確認するうちに、本人が不安になって、お泊りができなくなったことがありました。子どものためにと思ってやったことが、逆効果かもしれないと感じています。
過度に質問や指示を繰り返すような生活を続けてしまった場合、自発的に発言したり行動したりすることができない子になるのではないか、親の行動が子どもに悪い影響がないか気になっています。
(お子さん3歳・11か月のママ)

「心配」ベースではなく「興味・関心」ベースで質問する

回答:武田信子さん

子どもが「どう答えれば親が満足してくれるだろう」と考えてしまうほど、たくさん聞いてしまっているのかもしれません。
「いい子でやっているかな、何か問題はないかな」のような心配があると、どうしても質問のしかたに表れてしまいます。そして、「思った答え」が得られないと、「どうしてそうしたの?」と、次の質問が出て、子どもは困ってしまいます。質問に答えると、次の質問がくるかもしれないと考えてしまうわけです。
まずは、「心配」ベースではなく、何が本当に知りたいのか、「興味・関心」ベースで聞いてあげるのがよいと思います。

親が自分のことを話すことで、子どもも話すようになる

回答:汐見稔幸さん

よく小学生の子を持つ方から同じような質問を受けます。最初のうちは「学校どうだった?」と聞くと「今日ね~」と答えてくれるけど、1週間続けていると、そのうちに子どもは話すことがなくなって「別に」という返事になるんです。そこで「学校に1日いたんだから、『別に』ってことはないでしょ」と言っていると、子どもは「別に族」のほうに行ってしまうわけです。
どのように聞いたり会話をすれば、子どもが「しゃべってみようかな」と思えるか考えてみましょう。おそらく、ふだんの会話では「ねえねえ、ちょっと聞いてくれる? 今日こんなことあったのよ」のように、こちらから話すことが多いですよね。同じように、子どもに「こんなことを言ってみよう」という話題を見つけておいて、自分がうれしかったこと・びっくりしたことなどを子どもに話してみる。そのようなおしゃべりをしているうちに、子どもから「学校の先生も〇〇とか言っていた」と話してくれるかもしれません。子どもの話に、「へぇ、ほんとに。同じだね」と返してみるなど、子どもが「会話が楽しいな」と思えてくると、少しずつ話をしてくれるようになると思います。
いつも同じことを聞かれて、「いい子でいたんでしょうね」と期待されていると感じたら、話したくなくなります。まずは、親が自分の体験を「ちょっと聞いてくれる?」と話すような家庭の会話文化をつくりましょう。話がなくても、自分がしゃべることがないなら、子どももしゃべることがないだろうなと思えばいいわけです。

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