ママ友・パパ友がいない孤独… どうすればいい?

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2022/03/12

出典:すくすく子育て[放送日]2022/03/12[再放送]2022/03/19

子どもが生後半年のころに離婚して、ひとりでの育児に孤独感が強まっていきました。悩みや子どもの成長などを素直に相談できる友達がほしいと思っています。でも、心の状態がよくなくて、泣いてばかりでした。
それでも、誰かに気持ちをわかってほしくて、支援センターで勇気を出して声をかけたママと友人になれました。でも、「こんなことを言ったら嫌われるかも」と気になって、どこまで話していいのか考えてしまいます。本当に思っていることを話すこと、悩みを相談することは難しいと感じています。
(お子さん1歳4か月のママ)
ママと一緒に育休を取得し、生後1か月の娘を育てています。産後、ママが精神的に不安定なときに、どうしていいのかわからず、相談する人もなく、ひとりで抱え込むことが多くなりました。話ができるパパ友がいたら、支えになるのかなと思い、自治体の父親教室に参加しましたが、ほかのパパと連絡先を交換することはできませんでした。
行政サービスや支援はママ向けのものが多く、自分が受け入れられていない、肩身が狭いような気持ちになるときがあります。
(お子さん1か月のパパ)
パパの転勤のため、誰も知り合いがいない土地ではじめての子育てをすることになりました。産後すぐにコロナ禍になり、ママ友をつくる機会もありません。パパは仕事で忙しく、なかなか子育ての悩みを相談できず、ひとりでストレスを抱える毎日です。
発散する相手も場所もなく、子どもにイライラしたときに、「ダメだ」と思いながらもどなったり、当たってしまうことがあります。愚痴を言い合えるママ友ができれば心に余裕ができるのかな、と思っています。
(お子さん1歳6か月のママ)

新型コロナウイルスに対する”感度”の違いもある

回答:石田光規さん

新型コロナウイルスの影響は大きいですね。なかなか人に会えず、会ったとしても新型コロナに対する"感度"の違いがあります。マスクなどの感染対策の考え方には個人差があり、その違いが気になってしまう場合もあります。すると、ますます人と会いづらくなってしまいます。

ママ友以外の存在と話す場をつくる

回答:大日向雅美さん

ママ友のよさは「ツー」と言えば「カー」で、わかってもらえるところですよね。「夜泣き」と言わなくても、「きのう泣かれちゃったのよ」だけで心が伝わります。それが絶たれるのは、本当につらいと思います。おばあちゃんやSNSなど、ママ友以外の存在と話せるといいですね。
私自身、子育て広場を運営しているのですが、新型コロナの影響で自粛や制限となり、なかなか愚痴を言い合えるような場を提供できずにいました。電話相談のような受け皿を考えたいと思いました。

何かできる場所・定期的に行ける場所などを探す

回答:石田光規さん

話を聞いてくれるのは、必ずしも友達とは限りません。何かに参加するとき、「友達づくりの場」だと思うと、距離感で悩んでしまう方が多いと思います。まずは、子どもを預けながら、何かできる場所、定期的に行ける場所を探すところから考えれば、はじめやすいと思います。

性別や世代にこだわらないつながり

性別が違っても、同年代でなくても、つながることで孤独から救われる場合もあります。そんなママ・パパたちの体験談を紹介します。

<お子さん6か月のママの体験談>
産後は気持ちが落ち込み、積極的に人と関わる気になれませんでした。知らない場所に行って、知らない人と話すのはハードルが高いと感じていました。
そんなときに、自治体の保健師に、訪問型のボランティア「ホームスタート(※)」を紹介してもらえたんです。

ボランティアの方は、2人の子どもを育てた経験のある育児の先輩として頼れる存在です。赤ちゃんが飲むミルクの量の少なさを悩んでいたときには、「私の子どももなかなかミルクを飲まなかったけど、それでも元気に育ったよ。あまり気にしなくて大丈夫」と言ってもらえて、心が軽くなりました。そうやって一緒に時間を過ごすうちにだんだんと元気になり、外出するようにもなりました。自分の体のケアをする意欲も出てきました。
今では、積極的に支援センターを利用してみようと思えたり、骨盤ケアを自分で電話して毎週通えるようになりました。話すことが楽しくなったという感じがします。

※家庭訪問型子育て支援「ホームスタート」
およそ10年前にはじまった無料のボランディアで、活動は全国110か所の地域に広がっています(2021年8月現在)。ベビーシッターや家事代行はしませんが、一緒に話をしたり、散歩をしたり、ときには支援センターにも同行します。訪問ボランティアの条件は、子育て経験があること。のべ8日間(37時間)の養成講座を受講します。数は少ないですが、先輩パパのボランティアも少しずつ増えています。

<お子さん1歳10か月のパパの体験談>
娘が生後7か月のときにママが仕事復帰して、それから1年間は私が育休をとりました。ただ、2~3か月ほど、コロナ禍や育児など、環境の変化によるストレスなのか、おう吐を繰り返してなかなか食事がとれない時期が続きました。はじめての育児が不安で、でも働くママには心配をかけたくなくて。
子どもと外出することも気後れしていました。ママ友のグループにパパが入るのは嫌だろうなと思って、引け目を感じていました。それでも、子どものためを思って、毎日公園に行ったり、ベビースイミングにも通いました。
そんなある日、周りのママたちが声をかけてくれたんです。パパが子どもを連れていることは新鮮だったようですが、打ち解けていくと応援してくれるんです。パパ・ママという区別ではなく、「同じ育児をする人」として見てくれてたことがうれしかったです。
ママたちと悩みを共有し、育児の相談をするうちにストレスが減り、おう吐もなくなりました。世の中のパパ・ママが交流しながら、同じ育児をする人としてつながれたらいいなと思います。

家に来て話を聞いてもらうのはとてもいい

コメント:石田光規さん

子育ては完璧を求められているような感覚があります。そのため、「みんなはできているのに、私はできない」「友達づくりに行ったけど、できない」と感じると、「私はダメな親」のように自己否定して、家にこもりがちになる場合があります。その中で、家に来て話を聞いてもらえるのは、とてもいいですね。

原動力をつけてから、ゆっくり友達をつくる

コメント:石田光規さん

体験談のように、自分の話をできて、「みんなそうなんだよ」「大丈夫なんだよ」と言ってもらえると、それが原動力になります。「みんな同じことで悩んでいる」「私でも大丈夫」と思いながら、ゆっくりと友達をつくっていけばよいのではないでしょうか。

つらいときは、ママ友以外の関係もある

コメント:大日向雅美さん

ママ友は、いてもよし・いなくてもよし。ワンオブゼム(one of them)、数ある関係の中のひとつです。つらいときは、地域や職場などに、別の関係もあると思います。

親がひとりの人間としてどう生きるか、みんなで考える

コメント:大日向雅美さん

子育ては、親だけに託すのではなく、親がひとりの人間としてどう生きるかを大前提にして、みんなで考えることが必要です。「ママ・パパの人としての暮らしを奪わない」というメッセージからはじめたほうがいいのかもしれません。

子どものためにママ友・パパ友は必要?

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