夏を前に、6か月になる息子の服で悩んでいます。薄着で体が冷えるのも心配ですし、厚着にして湿疹が出たこともありました。散歩に出かけるようにもなり、紫外線や熱中症も気になります。
私たち大人と赤ちゃんで、「暑い・寒い」の感覚がどの程度違うのかわからず、いつも気温をみながら、何を着せようか迷っています。どんなことに気をつけたらいいですか?
(お子さん6か月のママ・パパ)
私たち大人と赤ちゃんで、「暑い・寒い」の感覚がどの程度違うのかわからず、いつも気温をみながら、何を着せようか迷っています。どんなことに気をつけたらいいですか?
(お子さん6か月のママ・パパ)
パパ・ママの感覚も大事
回答:井桁容子さん まずは、いつもより暑い・涼しいなど、パパ・ママの感覚を大事にしてください。その次に、子どもと大人がいる場所の違いに気をつけます。例えば、ベビーカーの中は、大人が感じる温度と違います。
暑いかどうか、背中に指を入れて確かめる
回答:井桁容子さん 「子どもが暑がっているかな?」と思ったら、首元から背中に指を入れて確かめましょう。暑いときは、汗でべたっとしています。さらっとしていれば問題ありません。外出先でも、寝ているときでも、指1本で簡単にチェックできます。暑いときは、1枚脱がせてあげるなどの対応をしてあげてください。
寒いかどうかは、おなかや首元で確かめる
回答:井桁容子さん 寒いかどうかは、体の冷えを確認します。おなかや首元を触って、ひんやりしているかチェックしてみましょう。手足ではなく、胴体のあたりをみてください。
着脱しやすい服を着せる
回答:井桁容子さん 服をたくさん重ねて着ると、脱ぎにくくなってしまいます。暑さ、寒さに対応できるよう、着脱しやすい服のほうがいいでしょう。赤ちゃんのうちは親が気をつけて着脱させますが、子どもが着替えられるようになったら、「暑い」と思ったときに自分で脱げるような服がいいですね。
場所によって温度が変わることに注意する
回答:薩本弥生さん 室内にいるとき、温度は26~28度が目安です。冷房の風が赤ちゃんに直接当たらないようにすることが大切です。また、冷たい空気は下方に集まります。大人よりも赤ちゃんがいる場所のほうが、低い温度になっていることがあるので、気をつけてください。 一方で、屋外の場合は、暖かい空気が地面で照り返して、大人が感じるよりもベビーカーの中が暑くなることがあります。赤ちゃんがいる場所によって温度が変わってくることに注意しておきましょう。
子どもの体温調節機能の特徴
ここで、小さい子どもの体温調節機能について、草川功さん(聖路加国際病院 小児科医長)に聞きました。
解説:草川功さん
特に乳幼児は、外部環境の影響を受けやすく、暑い中にいると体温が上がり、寒い中にいると体温が下がってしまいます。基本的に、小さければ小さいほど、この傾向が強くなります。自分で体温調節がうまくできないため、大人だと我慢できる範囲でも、子どもは急に体温が上がったり、下がったりすることがあるので注意しましょう。
子どもの体温調節能力を育てるために重要なのは「汗」です。汗をかくなど、子どもが持っている体温調節機能を邪魔しないように育ててあげることが大切です。
汗をかかないようにエアコンを調節していましたが、汗をかくのは大事なんですね。
2歳半くらいまでに、汗をかくトレーニングを
回答:薩本弥生さん 子どもは、2歳半くらいまでに能動汗腺(汗をかいて体温調節を行う汗腺)が育ち、その数が決まります。室内はエアコンで快適にするのがよいと思いますが、適度な外遊びなど、小さいうちに積極的に汗をかくトレーニングをすることも大切です。汗をかくときは、汗の蒸発を邪魔しないような服を用意することが大事です。
汗をかいてもいいように、どんな服がよいのでしょうか?
通気性・吸湿性がよく、ゆとりがあるものを
回答:薩本弥生さん 汗が蒸発しやすいように、通気性、吸湿性のよい素材の服がいいでしょう。あまり体にぴったり張り付かず、ゆとりがあり、空気が流れるようなデザインがおすすめです。暖かい空気は上にあがっていくので、特に襟元は、大きく開いているほうがよいでしょう。
涼しい着こなしはありますか?
服と体の間に空気の流れが起きやすいデザイン
回答:薩本弥生さん 服と体の間に、空気の流れが起きやすいデザインがよいでしょう。特に夏の暑い時期は、体にぴったりしたものではなく、空気が動いたほうが涼しいと思います。 ゆったりとしたTシャツと短いズボン、軽くすっきりしたシルエットのワンピース、チュニックなどがいいですね。 また、体の表面が汗をかいた状態のままにしないことも大切です。あせもなどを防ぐためにも、汗をかいたら拭いてあげて、服が湿っているときには着替えさせることも必要です。
子どもが大きくなって、歩いたり走るようになったら、どのような服装を選ぶのがよいですか?
元気に遊ぶようになったら、大人より1枚少なめが目安
回答:薩本弥生さん 小さい子どもは、体表面積当たりの代謝量が大きいので、平熱が大人より少し高めです。大人よりも外部環境の影響を受けやすく、活発に動きはじめると、さらに体温が上がります。暑いときに脱がせやすい服にしておくとよいですね。元気に遊ぶようになったら、大人の服より1枚少なめを目安に、動きに応じた枚数にするとよいでしょう。もちろん、大人が1枚なら子どもは0枚というわけではなく、子どもの体の様子を見て調節しましょう。
紫外線が気になるときは、どんな対策がよいですか?
服やスカーフなどで、日ざしが直接当たらないように
回答:井桁容子さん 赤ちゃんは、袖のある服などで、日ざしから皮膚を守ることが大事です。スカーフなどをかけて、日陰に入ったら取ってあげるような対応でもいいと思います。紫外線が直接肌に何分も当たることは避けたほうがいいですね。
UVカットや通気性のよい素材を
回答:薩本弥生さん UVカットや通気性のよい素材の服がいいでしょう。あまり蒸れないようにすることも大切です。
肌を覆うような服装だと、熱中症が気になります。どちらを優先すればいいですか?
熱中症を優先。帽子や日よけで対策を
回答:井桁容子さん もちろん熱中症の対策が優先です。子どもが暑そうであれば脱がせるなど、熱中症に注意してください。頭を守る帽子も重要です。小さいうちは帽子を嫌がるかもしれません。そんなときは、無理をしないで、「これは大事だよ」と伝え、分かるようになるまで待ちましょう。それまでは、ベビーカーの日よけなどで、頭を守ってあげてください。
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