子どもの聞こえや難聴、どんなことに注意すればいい?
まずは聴力検査を
回答:守本倫子さん 多くの市町村で、赤ちゃんの聞こえを調べる「新生児聴覚スクリーニング検査」を行っています。検査を受けていない場合、先天性の難聴などを見落としている可能性がないとは言えません。未検査の場合は、耳鼻科で聴力検査を受けたほうがよいでしょう。
ウイルスの影響で難聴になることも
回答:守本倫子さん ウイルスが難聴の原因になることもあります。例えば、おたふくかぜにかかったことで難聴になる場合もあります。きちんと予防接種を受けて、感染対策することも重要です。
おうちでできる「聞こえ」の簡単なチェック方法
おうちでできる、簡単な「聞こえのチェック方法」を紹介します。
0歳からできるチェック方法
おもちゃや電話の音、呼びかけたときなどに、反応するか確かめましょう。
左右で聞こえの差があるか
子どものうしろからそっと近づき、風や振動を起こさないように、スマホなどで片側から小さな音を出してみます。反対側からも音を出してみて、左右で違いがあるか確認しましょう。
小さな音が聞こえているか
のどに手を当てて声を出すと、のどが震えていることがわかります。ささやき声のときは、のどが震えません。この声で、子どもが聞こえを確認します。気づかれないようにうしろに行き、ささやき声で名前を呼びかけてみましょう。1歳半ごろまでにチェックしてみてください。
3歳くらいからのチェック
3歳くらいからは、イラストが描かれたシートを使ってチェックをしてみましょう。
1メートルほど離れて子どもと向かい合い、「絵の名前を言うから指さしてね」と言って、当てっこをします。
絵の名前を当てられるようになったら、口元が見えないように手で隠し、ささやき声で言ってみます。何度も言わず、一回だけ言うのがポイントです。
このほかにも、呼びかけても反応しない、テレビの音を大きくしたがるなど、気になることがあったら、耳鼻科を受診してください。
早期に発見し適切な対処をすることが大事
回答:守本倫子さん 例えば、中耳炎などはきちんと治療すること、ウイルスは予防接種などで対応することが大切です。一方で、先天性の難聴は治すことが難しいので、早期に発見し、補聴器を着けるなど、適切な対処をすることが大事になります。
体験談 先天性の難聴とその対応
ここで、生まれたときの検査で難聴と診断されたお子さんのご家族の体験談を紹介します。
診断後、すすめられたのが「補聴器」です。右耳は正常に聞こえているので、使わなくても言葉の発達には影響がないと言われましたが、着けたほうがより多くの刺激を受けることができるので、将来が豊かになればと思い、着けることを選択しました。
生後3か月、はじめて補聴器を着けたとき、パパの声かけを左耳で反応したんです。「あ、聞こえているんだと」とうれしく思ったことを覚えています。
今では1歳1か月、左耳にかわいい補聴器を着けています。テレビで子ども向けの歌を楽しんでいても、声をかけると反応してくれます。きちんと左の方向からの音が聞こえているようです。
片耳難聴だと騒音の中で聞こえづらい
コメント:守本倫子さん 片方の耳が難聴の場合、騒音の中での聞き取りが難しくなります。でも、体験談のお子さんは、テレビ番組を見ていても声かけに反応していましたね。補聴器で聞き取りやすくなっていることがうかがえます。音の方向性もわかるので、両方で聞かせてあげたほうがいいと思います。
補聴器購入の補助は地域で違いがある
コメント:守本倫子さん 補聴器は安いものではありません。それなりの費用がかかります。両耳難聴は、身体障害者手帳の取得により補聴器購入の補助があります。片耳難聴の場合は、独自に補助を行う自治体もありますが、障害者手帳の交付対象外補助が受けられません。多くの地域で補助が受けられるようになってほしいと思っています。
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