男の子と女の子で遊びや好みは違うのでしょうか?
遊びや好みの違いは、「周りの大人からの影響」もある
回答:榊原 洋一さん 遊びや好みの違いは、「性別の違い」というよりは、「まわりの大人からの影響」もあると思います。 子どもの自由描画をとりあげた研究では、子どもが3歳くらいでは、男の子だと「寒色系・電車や自動車」、女の子だと「暖色系・お花やおうち」を描く傾向があるという結果が出ています。 しかし、子どもは3~4歳になると、周囲の大人の規範や思い込み、期待に影響を受けて、自分は「男の子である」「女の子である」というような役割を感じ取るようになり、その役割に合わせてふるまうようにもなります。周囲の大人の規範とは、例えば、子どもへのプレゼントに、「男の子には電車のおもちゃ」「女の子にはおままごとセット」を選ぶというような何気ない行動のことです。 遊びや好みの違いは、「周囲の大人のからの影響」もあるため、「性別の違いが原因である」と言うのは難しいと思います。
子どもの遊びや好みに「性別の違い」をつけないようにすることが大切
回答:大日向 雅美さん アメリカで行われた「ベビーX」という実験があります。この実験では、大人に赤ちゃんを紹介します。「この子は女の子」と紹介すると大人は赤ちゃんに人形などを与えて遊ぶ傾向があり、同じ赤ちゃんを、「この子は男の子」と紹介すると大人はボールなどを与えて遊ぶ傾向があるというものです。「性別が違う」と認識することで、大人たちの対応の仕方が変わったのです。 「男の子だからこれはダメ」「女の子だからそれはダメ」というように、「性別の違い」によって、子どもの可能性を狭めてしまうのはもったいない。男の子でも、優しさ・気配りは必要ですし、女の子も勇気や決断力は生きていく上で必要なものです。男らしさ・女らしさよりも「人間らしさ」を大切にして、ひとりひとりの子どものよさを見てあげてください。
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