マスクでの生活。子どもへの影響はある?
将来、娘が表情を読み取れなくなるのではないかと心配しています。今はマスクでの生活が続き、親以外の人から表情を学ぶことができません。娘には、人のいろんな表情がわかるようになってほしいと考えています。
(3歳 女の子のママ)
(3歳 女の子のママ)
毎日の幼稚園の送迎では、親も子どももマスクをしています。そんなとき、マスクをとって歩いている子がいて、すぐに誰だかわからなかったことがありました。今は、相手の表情を認識したり、読み取ったりする力が育つ時期だと思うので、そのような能力が伸びづらくなっているのではないか、子どもの発育に影響がないかと感じています。
(4歳 男の子のママ)
(4歳 男の子のママ)
人の表情に接する機会は持てている
回答:遠藤利彦さん いつでも全ての人がマスクをしている状況であれば、心配すべきことかもしれません。でも、少なくとも家庭では、親とマスクなしでコミュニケーションができていると思います。テレビなどの映像では、出演者の表情を見ることもあるでしょう。子どもたちは、実は人の表情に接する機会を持てているわけです。まず、その点を再確認しておきましょう。
目は重要なコミュニケーションツール
回答:遠藤利彦さん マスクで顔の下半分が隠れると、口元や頬の動きが伝わりにくくなりますが、顔の上半分には表情の大切な要素がたくさんあります。特に目については、日本では「目は口ほどにものを言う」といわれている通り、人間にとって重要なコミュニケーションツールです。 人間の目は、他の動物と比べると、黒目と白目のコントラストがはっきりとして、黒目の動きがとてもわかりやすくなっています。そして、小さな子どもは顔の中で目の部分をいちばんよく見ています。食事のときや、大きく口を動かすと、口元に注目することもありますが、基本的には目の付近です。自然に人の目に注意を向け、その周辺のいろいろな表情の動きも見ているわけです。
子どもたちは相手の目をじっと見てくる
回答:若盛清美さん 園で、0~2歳担当の保育士を見ていると、目の動きがはっきりしていて、眉もよく動いていると感じます。自分で意識しているところもあるのでしょう。 また、まだ言葉がはっきり出ない時期の子どもに、マスク姿で「〇〇ちゃん」と名前を呼ぶと、最初はじっと目を見てくるんですね。そこで、ニコッとして顔を合わせていると、「あ!この人は前に会った人だ、安心できる」という思いになって、ニコニコしながら寄ってきたりもするんです。
園によってはマスクなしの時間を設けている
回答:若盛清美さん 私たちの園では、子どもたちが1日中ずっとマスクをしているわけではありません。例えば、夏で暑い日にはマスクで息苦しくなることも心配です。園庭で遊ぶときに、外しても大丈夫なときもあります。そのように、マスクをしたほうがいいとき、しなくても大丈夫なときを子どもたちに伝えるようにしています。
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