子どもの運動能力を伸ばすために、特に最初にさせるスポーツは何を選ぶのといいのでしょうか?
スポーツの種類よりも、スポーツの中でさまざまな動きをさせる
回答:鈴木 康弘さん 幼児期は、神経系の発達がとても敏感な時期のため、ひとつの動きを繰り返して行うよりも、さまざまな動きを経験できることの方が大切です。そのため、スポーツの種類よりも、そのスポーツの中でさまざまな動きを経験できるかを考えて選んでください。 例えば、子どもに「サッカー」をさせる場合は、「ボールを蹴る」だけではなく、「ボールを投げる」「走る」などのように、「サッカー」を通して、さまざまな種類の動きをさせてあげてください。
スポーツだけではなく、「外遊び」でも運動能力は伸びる
回答:大豆生田 啓友さん スポーツだけではなく、外で自由に遊ぶ「外遊び」でも運動能力は伸びます。 鉄棒、うんていなどの幼稚園や公園にある遊具で、自由に遊ぶだけでも、「さまざまな動き」が経験でき、さらに子どもの「運動への意欲」が向上します。 また、下の図のように、「週に2回以上体育指導を受けている子どもたち」よりも、「体育指導を全く受けていない子どもたち」の方が、運動能力が高いという研究結果も出ています。 「外遊び」で経験した「さまざまな動き」や「運動への意欲」が基盤となり、子どもは自分から積極的に、スポーツにも取り組むようになります。
■「週に2回以上体育指導を受けている子どもたち」と「体育指導を全く受けていない子どもたち」の運動能力の比較
「週に2回以上体育指導を受けている子どもたち」よりも、「体育指導を全く受けていない子どもたち」の方が、子どもの運動能力が高い。
体育指導では、「説明を聞く時間」「順番を待つ時間」があるため、子どもが実際に体を動かす時間が短くなることや、同じ運動を繰り返し、経験する動きの種類が限られてしまうことが、この結果の理由ではないかと考えられている。
出典:「幼児の運動能力における時代推移と発達促進のための実践的介入」平成20~22年度 文部科学省科学研究費補助金 研究成果報告書
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