小さな子どもの便秘を治すには?
娘は1歳を過ぎたころから便秘になってしまいました。定期的に病院で診てもらい、便を出しやすくする薬をもらっています。でも、薬を飲んでも3日に1度しか出ないときがあり、効き目の強い薬を使うこともあります。薬に頼らなくてもいいように、水分を多めにとったり、食事を工夫したりしています。朝食は便秘によいといわれているオートミールに牛乳をかけたおかゆ、日々のおかずは食物繊維が豊富な根菜類を多く取り入れるようにしています。
最近は便秘が少し改善してきましたが、まだまだ薬が必要です。薬に頼らず便秘を治すにはどうしたらいいのでしょうか。
(1歳7か月 女の子のママ)
最近は便秘が少し改善してきましたが、まだまだ薬が必要です。薬に頼らず便秘を治すにはどうしたらいいのでしょうか。
(1歳7か月 女の子のママ)
便秘が疑われるポイント
回答:永田智さん 便の回数が少なく週に2回以下のときは便秘といいますが、毎日排便していても、便が硬くて出しにくい・出すときに痛いといった場合も便秘だと考えてください。小さくてコロコロした便でも、出すときに痛がる場合は便秘だと思います。 その他にも、便秘には次のような症状があります。 〇苦しそうに排便している 〇いつもよりおならや便のにおいが強い 〇おなかが張って硬い 〇機嫌が悪い(排便をすると機嫌がよくなる) 〇食欲がない こういった症状があるときは、病院に相談してみましょう。
いつも薬を使っていると、自然なお通じができなくなるのではないかと心配です。
癖になるのは薬ではなく便秘
回答:永田智さん 薬に頼ると、薬を手放せなくなるのではないかと不安に思う親が多いようです。でも、癖になるのは薬ではなく便秘です。便が腸の中にたまった状態が習慣化して、腸内環境が悪くなり、便秘も悪くなるという悪循環になってしまいます。
小さいころは便秘になりやすい
回答:永田智さん 小さいころは、腸が発達している段階にあります。動きもよくないため、便秘になりやすいのです。多くの場合は、成長するにしたがって腸の働きがよくなり、便秘も解消されていきます。 この時期は、薬を嫌がらずに、しっかり排便させ、腸の中をいつも空っぽにする習慣をつけてあげることが大事です。年齢を重ねると、だんだんと薬の量も少なくなることが多いので、最初に薬を使うことを心配し過ぎなくてもよいと思います。
薬以外で、便秘を改善する方法はありますか?
食物繊維はいい腸内細菌を育てる
回答:永田智さん 水をたくさん飲む方法を聞くことがありますが、ほとんどが小腸で吸収されるため、便秘が改善されることはありません。水はふだん通りでよいと思います。 食事で考えられるのは、多種多様なものを食べることです。いろんな種類の腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう・「腸内フローラ」とも言われる)が育つため、便秘の改善にもよいと思います。ただ、小さな子どもは多種多様な食品をとることが難しいので、食物繊維の多いものをとるのがよいでしょう。
主食・主菜・副菜から食物繊維をとる
回答:上田玲子さん 食事は、主食と主菜と副菜をきちんと食べた上で、食物繊維もとれると非常に効果があります。食物繊維には、「不溶性」と「水溶性」の2種類があるので、バランスよくとることが大切です。 不溶性の食物繊維は、便のかさを増やし、腸を刺激することでぜん動運動を活発にする働きがあります。でも、不溶性の食物繊維だけに偏ってしまうと、便が硬くなってしまうことがあります。それを防ぐためには、水溶性の食物繊維が重要です。便に水分を与えて、軟らかくする働きがあります。 不溶性と水溶性の食物繊維をバランスよくとるためには、次のような食材が便利です。 〇プルーン 〇りんご 〇さつまいも 〇にんじん 〇ごぼう 〇じゃがいも 〇納豆、きなこなどの大豆製品 〇なめこ 〇オートミール など
牛乳の効果には個人差がある
回答:上田玲子さん オートミールを食べるとき、牛乳をかけることもあると思います。このとき、牛乳の効果には個人差があるので注意しておきましょう。牛乳は、子どもによって、便を軟らかくする場合も、硬くする場合もあります。量を加減しながら様子をみてください。例えば、ヨーグルトを混ぜてあげるような工夫もよいでしょう。
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