親の苦手なことは遺伝する?
自分の苦手なことが子どもに遺伝してしまわないか気になっています。私は数学などの理系が苦手だったので、子どもも苦手になって、仕事の選択肢が狭まってしまったらどうしようと心配です。才能に遺伝の影響はどのくらいあるのでしょうか。
(2歳11か月 女の子のママ)
(2歳11か月 女の子のママ)
遺伝だと決めつけないで。環境の要因も大きい。
回答:汐見稔幸さん 遺伝で理系が嫌いになる、といった決めつけはやめたほうがよいでしょう。また、数学・理系嫌いは、どのような授業や教育を受けたのか、環境の要因が大きいと思います。 子どもの遺伝子には、お父さんやお母さんだけでなく、祖父母や、その祖先まで、たくさん入り込んでいます。誰から、どこが遺伝しているのかはわかりません。子どもの体験によっては、親が苦手なことに夢中になることもあります。友達が何かおもしろいことをしているので自分もしてみたいと思うこともあります。そのような経験の偶然性によって、大きく変わるのです。遺伝は影響しているけれど、それよりも環境の要因が大きいと考えてください。
苦手なことでも向き合ってほしいとき、どうしたらいいですか?
いいところを膨らませて苦手を克服する
回答:汐見稔幸さん 苦手なことを克服させる育て方が確かにあります。でも、その方法で本当に伸びたという話をあまり聞きません。私は、好きなことをどんどん伸ばして、可能性を上手に広げてあげるのが、名コーチだと思います。 苦手を克服するためには、まず子どもの持っているよさを、個性としてたくさん見つけてあげましょう。そして、いいところを膨らませていく。すると、自分の得意なことを苦手な部分にも応用して、克服できるようになります。はじめから苦手なことを「克服しよう!」と言ってやらせても、かえって嫌になってしまいます。 例えば、国語が好きで数学が苦手だったら、文章で数学を説明している本を読んでみる。好きな方法で数学に触れることで、そのおもしろさに気づくこともある。すると、別の意味で数学が得意になるかもしれませんよね。得意なことを膨らませて、苦手なことを覆いかぶせていくのです。
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