うちの子は甘えてばかり… このままで大丈夫?
息子は9か月になりますが、あと追いがひどくて困っています。泣かれるたびに手を止めて相手をしていますが、いつも甘えにこたえることが、子どものためになるのか疑問です。泣けば要求が通ると思って、将来がまんができない子にならないでしょうか。
(9か月 男の子のママ)
(9か月 男の子のママ)
新型コロナで自粛生活がはじまったころから、長男がママにべったり甘えるようになりました。半年前に弟が生まれたので、赤ちゃん返りもあると思います。パパが相手をしようと頑張っていますが、「パパはやだ!」といいます。このままだと、わがままになったり、性格に影響しないか心配です。どこまで甘えさせていいのか悩んでいます。
(2歳7か月・6か月 男の子のママ・パパ)
(2歳7か月・6か月 男の子のママ・パパ)
信頼できる人にくっつくことで安心する
回答:遠藤利彦さん 親が「甘え」と感じていることは、心理学の立場からすると、「アタッチメント」が顕著に現れている状態だといえます。子どもは、不安や恐れを感じたとき、パパやママなど特定の信頼できる人にくっつくことで、安心感を得て、気持ちを立て直そうとします。このような欲求や行動を、心理学では「アタッチメント(※)」と呼んでいます。
※アタッチメント(attachment)のアタッチは、英語で「くっつく」という意味です
くっつくことが、子どもの自立を支える
回答:遠藤利彦さん アタッチメントは、子どもの自立・自律性と強く関連するといわれています。 子どもは、信頼できる人にくっついて、だっこされたり慰められたりすることで、不安が解消され、安心感を得ることができます。このとき、信頼できる大人は子どもにとっての「安全基地」となるのです。安全基地があることで、子どもは何かあったとしても、絶対に守ってもらえるという見通しを強く持つことができます。その見通しに支えられて、子どもはいろいろなことにチャレンジ(探索活動)できるようになります。 チャレンジしたときに不安を感じることがあれば、安全基地へ避難し、再び安心感を得ます。そしてまたチャレンジできる。こうしたサイクルを繰り返しながら、子どもは自分の世界を徐々に広げていくのです。 このように、甘えることができる、安心できることが、子どもが健康に自立していくことを支えていく、と考えてみてください。
アタッチメントは、自立に向けた練習
回答:汐見稔幸さん 子どもはくっつく行為(アタッチメント)を通して、安心できる世界を獲得します。それが心の中に落ち着いてくると、自分だけでできる領域が増えていきます。くっついてくるような甘えは、自立に向けた練習になるのです。 また、アタッチメントの対象は、ママである必要はありません。パパやきょうだい、あるいは保育士などの場合もあります。親でなくてもよいのです。子どもは信頼できる人のところで、自分を取り戻すわけです。
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