ことばの遅れが心配。どうすればいい?
1歳半の健診で、ことばが遅いと指摘されました。そのときは、弟が生まれたばかりで、「下の子ができて気持ちが不安定になっているのかもしれません。2歳までは様子をみてください」とアドバイスを受けました。でも、ほんとうに大丈夫なのか心配しています。様子をみるとは、どういうことでしょう?
(2歳・0歳 男の子のママ)
(2歳・0歳 男の子のママ)
ことばを話す準備ができているか見極めるポイント
解説:久保山茂樹さん
様子をみるときに、子どもの中で、どのくらい言葉を話す準備ができているかを見極めるポイントがあります。
まず、からだの機能です。音が聞こえているか、かむ・飲み込む・声を出す、などの口の働きはどうかなどをみます。
次に、人への関心です。誰かと一緒に遊ぶのは好きか、人の言うことを聞こうとするかなどをみます。
そして、三項関係です。大人との間で体験を共有できるか、身振りや声のまねをしたり、指でさして伝えたりできるかどうかなどをみます。
これらができているようであれば、1歳半の時点ではそれほど心配しなくても大丈夫です。
2歳を過ぎても、意味のあることばが出ないと心配になってしまいます。
「音声のことば」以外のコミュニケーションに目を向ける
回答:久保山茂樹さん ことばは、話しことばのような「音声のことば」だけではありません。 お出かけしたいときに靴を見せるのは、目で見てわかる伝え方「視覚のことば」です。身振り手振りなどを利用した伝え方「動作のことば」もあります。 ことばの発達は、個人差がとても大きいので、「音声のことば」だけでなく、それ以外の、いろいろなコミュニケーション手段にも目を向けてください。子どもの姿をよく見ていると、「視覚のことば」や「動作のことば」で表現していることがあるはずです。そこに注目して、視覚や動作のことばに、「外に行きたいのね」「ジュースが欲しいのね」のような音声のことばを乗せてあげましょう。
音声のことばの発達を促すには、どんな関わり方がいいでしょう?
繰り返し遊びの中で、表現が出てくる
回答:久保山茂樹さん 「高い高い」のように、体を使ったダイナミックな遊びをしていると、思わず「わぁー!」と声が出ることがあります。そこで、「3・2・1…… ドーン!」のようにカウントダウンしながら、遊びを繰り返していると、最後の「1」が言えたり、「ドーン!」という声が出たりします。このような遊びで、ことばの芽が出てくることがあるんです。 また、繰り返しの遊びで、とても喜んでいるときは、すぐに繰り返すのではなく、ちょっと待ってみるのもいいですね。「あっあっ」「もう1回!」と言ってきますよ。待ち時間をつくることで、子どもの表現が生まれることもあるんです。
1歳7か月になる娘は、運動能力は十分に発達しているように思えますが、それに比べるとことばが遅いように感じています。いろいろと声には出すのですが、意味のあることばを話さないので心配です。
(1歳7か月 女の子のママ)
(1歳7か月 女の子のママ)
子ども自身が楽しそうにしていることが大切
回答:井桁容子さん 子どもはみんな違うので、1~2歳でも同じようにはいきません。おしゃべりはたくさんするけど、なかなか体を動かさない子もいます。今は、運動が好きなんだという見方をしてはいかがでしょう。遅くても早くても、子ども自身が困っていなければ、楽しそうに暮らしていることが大切です。
コミュニケーションの土台が育っているかどうかをみる
回答:久保山茂樹さん 子どもによって、運動やことばの発達の早さはそれぞれ違います。音声のことばが少なくても、コミュニケーションの土台が育っているかどうかをみながら、視覚や動作のことばで楽しくやりとりをして、過ごしてみましょう。どうしても心配な場合は、保健センターなどに相談してみてください。
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