子どもたちは、外で遊んでいると、いろいろな物を拾ってきます。木の実や落ち葉、セミの抜け殻など。中でも大好きなのが、枝などの棒きれです。振り回したり、何かを叩いて音を出したり、糸をくくりつけて魚釣りをしてみたり、とにかく棒状の物が大好きです。子どもはどうして、こんなに棒が好きなのでしょう?
棒は不可能を可能にする魅力がある
回答:柴田愛子さん おそらく、何百年も何千年もの遠い昔から、子どもは棒を拾って遊んでいたのでしょうね。棒があれば、届かなかったところに届くようになり、自分の手が伸びたような、強くなったような気持ちになれるのかもしれません。不可能を可能にするもの。棒にはそんな感覚的な魅力があると思います。
穴・水・棒は、保育界の三種の神器
回答:汐見稔幸さん 1歳ごろから、少なくとも3〜4歳ごろまでの子どもたちは、共通して「穴・水・棒」が好きだといわれています。保育の世界では、三種の神器と呼んだりするんですよ。 私には、子どもが人間の進化の歴史を大急ぎでなぞっているようにも思えます。個体ではかよわい動物であるホモサピエンスが、どうしてこれだけの力をつけてきたのか。いくつかの要素がありますが、その中に協働できるようになったこと、道具をたくさん編み出したことがあげられます。棒によって、いろいろな物が手に入ることがわかって、棒を多様に加工して使ってきたわけです。素朴に見えますが、最初の知恵だともいえます。
棒は、子どもにとってはじめての道具ともいえます。危険がない限り、子どもが道具を使いこなせるようになっていくための練習だと思って、見守ってあげてくださいね。
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