遊びの経験も大事だけど危険は避けたい。どう考えたらいい?
息子は外遊びが大好きですが、少し前に、大きめの滑り台でバランスを崩して手すりに目の上をぶつけてしまいました。それが原因なのか、恐る恐る手でブレーキをかけながら滑るなど、急に慎重になってしまいました。少しずつ解消されているとは思いますが、怖い思いが残っているのではないかと心配です。のびのびと遊ぶ経験も大事だけど、事故やケガの危険も避けたいと思っています。どのように考えたらよいでしょう?
(1歳8か月 男の子のママ・パパ)
(1歳8か月 男の子のママ・パパ)
子どものチャレンジの範囲内と考える
回答:福井聖子さん 1歳代の子どもは怖いもの知らずで、親が気にかけていても、いつの間にか「危ない!」と思うようなときがありますよね。親は「ああすればよかった」と反省してしまいがちですが、ある程度はしかたのないことだと思います。 また、お子さんがブレーキをかけているのは、失敗から学習して自分で加減できている、すばらしいことだと思います。自分でわかることが少しずつ増えて、子どもなりにいろんなことを考え始める時期でもあります。子ども自身が「ちょっと危なそうだな」と思いながら行動を起こして、結果的にケガをしても、それは子ども自身のチャレンジや冒険の範囲内だと思います。大きな事故やケガは防がなくてはなりませんが、小さなケガは子どもの成長につきものです。
子どもの発達段階とケガ~転び方~
子どものケガは発達段階によって異なります。転び方を例に見てみましょう。
歩き始めから1~2歳くらいは、転んでもすぐに手が出ません。頭から突っ込んで転ぶため、顔のすり傷や打撲が多くなります。視力が低く、視野も狭く、視点も低いので、段差などが近づかないと見えていないこともあります。
3歳くらいになると、個人差はありますが、よく体を動かして遊ぶようになります。このころから、手やひざをつくことができるようになり、手のひらやひざのすり傷、手足の打撲が多くなります。視野はまだ狭いです。
小学生でも低学年の場合は、まだよく転びます。視力は成人並みでも、視野はまだ狭い状態です。
5年生くらいになると、個人差はあるものの、転びそうなときにふんばったり、とっさのバランスをとったりできる子も出てきます。視野も大人並みになります。
大人は子どもが転んだときに危なくないように注意
回答:福井聖子さん 1~2歳ぐらいは、全体的に体の動きも荒いので、転ぶことを前提に考えましょう。例えば、転んだときに尖ったものがあると刺さってしまうことがあります。大人は、そのような危険がないように気をつけてください。
小さいうちに上手な転び方を身につける
回答:福井聖子さん 転ぶときに、とっさに手が出るような動作ができるためには、転び方の練習が必要だと思います。小さい子どもは、体重も軽く、身長も低いので、転んでも大きなケガにはなりにくい傾向があります。大きくなってうまく転べないと、ケガが大きくなりかねません。小さなうちから、走り回って遊ぶなど、上手な転び方を、身をもって学んでいけるとよいですね。
子どもが転んだとき、親はどんな対応をしたらいいでしょうか?
「痛いの痛いの飛んでいけ!」は効果的
回答:福井聖子さん 漢字で「手当て」と書くように、手を当てると痛みが和らぐといわれています。だっこして、痛い部分をさすって、「痛いの痛いの飛んでいけ!」と言う。すると、触覚と痛みの感覚がわからなくなって、痛みが減るという話もあります。さすってあげると、子どもは安心感を得られるとともに、「痛いというのはこういうことなんだ」と学べます。
3歳くらいからは転び方を褒めてあげる
回答:福井聖子さん 3歳くらいになって、手をついて転ぶようになったら、上手に転んだことを褒めてあげてください。手をついてケガをしてしまうと、親はつい注意をしたくなりますが、「上手に転んだね」「このケガだったら、こうしようか」のように声をかけてみましょう。転んでも叱られない、親はちゃんと対応してくれるということを、子どもに学んでほしいと思います。
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