短い時間で愛情を伝え、子どもの要求を見きわめられる?
育児休職中で、職場復帰を控えていますが、子どもと過ごせる時間が短くなるので不安です。子どもが「ママは忙しくて自分のほうを向いてくれてない」と思ってしまうのではないか、私の愛情が短い時間の中で伝わるのか、そんな心配があります。子どもがぐずったとき、今はずっと一緒にいるので「おはながすいてるのかな」「これが欲しいのかな」といったことがわかる気がします。接する時間が短くなると、そんな子どもの要求を見きわめるのが難しくなるかなと思っています。
(1歳1か月 女の子のママ)
(1歳1か月 女の子のママ)
「してあげる」より「そこにいる」が大切
回答:遠藤利彦さん 子どもへの愛情は、何かを「してあげる」ことだと考えてしまう大人が多いように思います。すると、どうしても「量」の話になり、たくさんのことをしてあげることが愛情だと思えてしまいます。ですが、子どもの発達という観点では、「してあげる」こと以上に、必要なときに「そこにいる」ことが大切だと考えられています。 そこにいること自体が子どもへの愛情だと考えてみてください。子どもが怖くて不安になったときは、確実に逃げ込んで安心感を与えてくれる安全な避難場所の役割を果たし、子どもが元気になったときには、いろいろなことにチャレンジできるように、後押しして応援してあげる、安心の基地の役割を果たします。子どもが求めてきたときにこたえて、子どもが1人で遊んでいたら見守りながら応援してあげるような気持ちでいることが大切だと思います。
離れている時間に見えることもある
回答:大日向雅美さん 愛情が一緒に過ごす時間の長さではないことに、もっと自信を持っていいと思います。仕事中は確かに離れているかもしれませんが、子どものことを思っているのではないでしょうか。そして、お迎えで再会したとき、かえって離れているよさが出ることもあります。ずっと一緒だと見えない、離れていると見えることがあると思います。 子どもの要求については、子どもから発信されるシグナルをキャッチできるゆとりを持って、「ここにいますよ。スタンバイしていますよ」という気持ちで、子どもとの時間を過ごせばよいのではないかと思います。
子どもに、親の愛情はちゃんと伝わるものでしょうか?
3~5歳になると、親の気持ちがわかるようになってくる
回答:遠藤利彦さん 3~5歳のころになると、人の気持ちがわかりはじめます。同時に、お父さん・お母さんが自分のことをどう思っているのかを感じることができるようになります。すると、親の気持ちや、親が置かれた状況に応じて、自分の行動を調整することもできるようになるのです。
子どもは親の姿をちゃんと見ている
回答:大日向雅美さん 仕事をしている親は、子どもにかわいそうな思いをさせているのではないかと、気持ちが揺れているかもしれません。だけど、子どもは、そんな親の姿をちゃんと見ています。子どもには「ごめんなさい」ではなく、「ありがとう」という気持ちでいることが大事ではないでしょうか。一緒に暮らして、こんなに育ってくれてありがとう。そんな子どもへの感謝を胸に、乗り越えていただきたいなと思います。
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