現在、娘がイヤイヤ期です。ごはんのときも着替えのときも、私が言うことに「イヤ」と繰り返します。例えば朝ごはんのとき、パンを用意しても「イヤ!ごはんがいい」と言います。着替えのときも「イヤ!着替えない」「この服なら園の先生もかわいいって思うよ」「イヤ!」といったやりとりになってしまいます。
こんなときは「あとでね」と声をかけ、子どもの気持ちが切り替わるまで見守るようにしています。ですが、なかなかうまくいきません。忙しいときは、時間がなくて無理矢理になってしまうこともあります。「イヤイヤ期は見守ったほうがいい」と聞きますが難しいと感じます。
(2歳6か月 女の子のママ)
こんなときは「あとでね」と声をかけ、子どもの気持ちが切り替わるまで見守るようにしています。ですが、なかなかうまくいきません。忙しいときは、時間がなくて無理矢理になってしまうこともあります。「イヤイヤ期は見守ったほうがいい」と聞きますが難しいと感じます。
(2歳6か月 女の子のママ)
子どもの気持ちを読み取り、気持ちを立て直す手助けを。
回答:坂上裕子さん 「見守る」というのは、何もせずに待つことではありません。イヤイヤをしている子どもは、感情を自分で立て直すことが難しいので、気持ちを立て直すための手助けを必要としています。その手助けのために、子どもの気持ちや訴えたいことを、様子を見ながら読み取り、子どもの気持ちの状態やニーズを把握できるといいですね。「見守る」ことには、「読み取って」「手助けする」ことが含まれていると思います。
どういった関わり方をすればよいでしょう?
まずは、子どもの気持ちを受け止めることを。
回答:坂上裕子さん まず、「イヤ!」と主張する子どもの気持ちを受け止める言葉をかけてみましょう。 例えば、子どもが「ごはんが食べたい」と主張したとき、「今日はパンだよ。食べて」と返すと、子どもは「気持ちを受け止められてない。一方的に要求を押し付けられている」と感じるのではないでしょうか。そこで、「ごはんがいいのね。そうだよね。ごはんあればあげたいんだけどないんだよね、残念だよね」のように返せば、「私が言っていることを受け止めてもらえている」と感じるようになります。
親の状況を伝える。
回答:坂上裕子さん 子どもの気持ちを言葉で受け止めた後で、例えば、「ママは会社にいけなくて困っているのよ」というように、親の状況や事情を子どもに伝えると、耳を傾けてくれるようになります。
子どもが答えを選べるようにする。
回答:坂上裕子さん 子どもに選択肢を用意して、答えを選べるようにしてみましょう。 例えば服を着せるとき。親が「着替えて」とお願いすると、答えが「はい」か「いいえ」しかなく、イヤイヤの激しい時期の子どもは、必ず「いいえ」になってしまいます。そこで、「この服とその服、どっちに着替える?」や「オムツ替えとお着替え、どっちを先にする?」のように声かけすると、子どもに「あなたが主体的に選んでいいよ」という姿勢が伝わります。子どもは、自分が選んだものであれば、やってくれる確率が高くなると思います。
子どもの気持ちを受け止めて言葉にするのが難しいように感じます。
子どもの言葉を繰り返すだけでもよい。
回答:坂上裕子さん 例えば「パンが食べたい!」のように、自分の気持ちを言葉にできる子であれば、「パンが食べたいのね」と繰り返してあげるだけでもよいでしょう。それだけでも、子どもは「私が言ったことが伝わっている」と確認できます。
「あぁ」「ふ~ん」などでリズムに合わせるのも手。
回答:宮里暁美さん 子どもの気持ちをいつも正しく理解してあげようと身構える必要はありません。子どもが求めているのは、気持ちをわかろうとする姿勢だと思います。例えば、子どもの言葉に対して、「あぁ~」「はぁ~」「ふ~ん」のような相づちをリズムよく合わせてみましょう。すると、「話を聞いているよ、付き合っていくよ」といった雰囲気になり気持ちが和んでいきます。
子どもの気持ちを受け止めてあげることが大切だとわかっています。でも、優しく受け止めるだけでは、わがままになってしまわないか心配です。
(2歳5か月 女の子のママ)
(2歳5か月 女の子のママ)
「受け止める」ことは言いなりになることではない。
回答:宮里暁美さん 子どもの気持ちを受け止めることは、子どもの言いなりになることではありません。子どもの言うことに耳を傾け、気持ちを認めてあげることです。その上で、こちらの事情を説明したり、選択肢を示してあげましょう。 例えば、「あのズボンがはきたい!」とイヤイヤしている子に、「あのズボン好きだよね」のように気持ち受け止め、「でも洗濯しているのよ」「これとそれどっちがいい?」と選んでもらう。子どもは好きなズボンを我慢して、他のズボンを履いてくれる。これはわがままではありませんよね。
気持ちを受け止められた経験が思いやりを育てる。
回答:坂上裕子さん 子どもは、自分の気持ちが受け止めてもらえると、「自分の思いが大事にされている」と感じることができます。そのような経験があるからこそ、他の人にも同じように大事なものがあるとわかるようになり、人を大事にできます。気持ちを受け止めてあげること、思いを認めてあげることは、思いやりを育てることにもなるのです。
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