幼児教育の現場で、「遊び」についての考え方はどう変わっているの?
幼児教育の現場では、「遊び」についての考え方が変わってきているということですが、具体的にはどんなことが変わってきているのですか?
正解を覚える教育から、みんなで答えを創り出す教育へ。その中心が「遊び」です。
回答:汐見稔幸さん 今の子どもたちが社会人になるのは、およそ20年後です。そのとき、どんな社会になっているでしょうか。一般的には、AI(人工知能)社会になるといわれています。機械的にできることは、どんどんロボットやAIを組み込んだ機械が行うようになるでしょう。ロボットやAIができることは彼らに任せるとして、そのとき、ロボットやAIには絶対にできない、人間にとって大事なことは何でしょうか。 一つは、答えが見つかっていない問題をどんどん解いていくことです。これからの地球は、温暖化などさまざまな問題が進んでいきます。そうした前例がない問題に対しては、みんなで話し合い、新しい答えを生み出していかないと、社会は持続できないといわれています。これからの時代を生きる子どもたちは、そういう力をつけていかなければならない。正解だけ覚えておきなさいという教育では、そういう人間は育ちません。小さいときから、みんなで答えを創り出すような教育に変えていかなければならないのです。 では、答えを創り出す力を身につけるための一番の活動は何か。 それが「遊び」です。「こうやったら面白い!」「こっちのほうがきれいだよ」などという要素を、自分なりにどんどん取り入れて答えを創っていく。大人はそれを励ましていく。その一番の基礎となることが、豊かな「遊び」である。幼児教育の現場もそのような考え方に変わりつつあります。
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