赤ちゃんの行動の意味を教えて!

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2019/06/01

出典:すくすく子育て[放送日]2019/06/01[再放送]2019/06/08

視聴者から届いた動画で具体的な赤ちゃんの様子を見ながら、それぞれの赤ちゃんの行動の意味を教えてもらいました。

「ング、ング、アー!」と、何やらひとり言を言っているようです。(2か月の女の子)
ママが「ハロー」と声をかけると……。まだおしゃべりできないのに、「ハロー」。「アウアウ」と言うと「アウアウ」と応えます。(3か月の男の子)
ママがドライヤーをかけていると、怒ったように大きな声を出します。ドライヤーの音がやむとピタッと止まります。そして、そのまましばらく音がしないと、「アー、アー」と声を出します。(5か月の女の子)

「アー」「クー」など、クーイングからコミュニケーションは始まっている

回答:榊原洋一さん

赤ちゃんは、見えるもの、聞こえている音についてはよくわかっています。
例えば、ドライヤーの音が聞こえると大きな声を出して、ドライヤーが止まると自分の声もピタッと止めていますね。そしてさらに、「あれ、もう聞こえないの?」とでも言うかのように「アー、アー」と声を出しています。「ハロー」に対して応えている赤ちゃんも、お母さんの声をまねて声を出したら「ハロー」に聞こえたのでしょう。
こうした、母音を中心とした「アー」「ウー」「クー」という声は「クーイング」と呼ばれ、これが「マンマ」などの喃語(なんご)へとつながっていきます。大人の働きかけを見たり聞いたりしたことに対して、声を出すという反応をしています。赤ちゃんたちは、ほんとうにさまざまな形で発信しているんですよ。
パパに足を動かしてもらい、遊んでもらっている間はご機嫌だったのですが、パパが手を止めるとすぐに、両手を広げ、体を反らせて泣き出しました。(4か月の女の子)
ママがおでこに息をフーッと吹きかけると、満面の笑みで声を出し、とてもうれしそうです。(6か月の男の子)
おもちゃを落とした時、ママが「あー」と叫ぶと、すぐに「きゃー」と大きな声を出して応えました。(8か月の女の子)
おすわりしてママに向かって両手をパタパタ。「アー」「ウー」という声も出ています。何度も繰り返すうちにこんなに笑顔になりました。(6か月の女の子)

コミュニケーションの手段は意味のあることばだけではありません。

回答:榊原洋一さん

どのお子さんも、見えること、聞こえることに対して、声を出したり、手をバタバタさせたり、顔をニコっとしたり、大変豊かに受け止め、さまざまに反応しています。
私たち大人は、「コミュニケーション」というと「話をすること」「ことばのやりとり」などを想像しますが、赤ちゃんは、顔の表情や声、体の動きなどで豊かに表現していることがわかります。こうした赤ちゃんからの発信の始まりは、社会性獲得の始まりでもあると言えます。
最初はキョロキョロと周りを見回して……。気になるものを見つけ、手を伸ばしました。(6か月の女の子)
鏡に映っている自分を見ながら大喜び。鏡の中にママを見つけると、すぐに振り向きママにニッコリ。(11か月の女の子)

「共同注意」は人間が社会性を身につけ、他人の気持ちを理解する土台。

回答:榊原洋一さん

赤ちゃんが何かに手を伸ばす行為はリーチングと呼ばれていて、その手を伸ばしているものに関心を持っていることがわかります。
また、鏡を見ているお子さんの映像で大事なところは、お母さんのほうを振り返ったことです。「お母さん、見て、私が映ってるよ!」という気持ちで、お母さんの顔を参照しています。
このように、まだことばが話せなくても、非常に豊かな「コミュニケーション」つまり、「受信・発信」をしていることがよくわかります。
ことばを獲得する前の赤ちゃんは、主に視線と指さしでたくさんの情報を発信します。特に指さしは、周りの人に「ねぇ、あそこを見て」と伝えています。赤ちゃんが、「あっあっ、あっあっ」と言って指をさせば、皆さんも「なあに?」と言ってそちらの方向を見たくなるはずです。
このように、同じものを一緒に見る「共同注意」という動作は、私たち人間が社会性を身につけ、他人の気持ちを理解するための1番の土台であるといえるでしょう。これは8か月くらいから見られる行動です。私たちは、このようなやりとりを繰り返し、コミュニケーションをしながら少しずつ社会性を身につけていきます。
赤ちゃんがクーイングをしたり、手を伸ばしたり、指さしをするのは、それぞれどのくらいの月齢ですか?

自分の発信に周りが反応してくれる経験を積み重ねながら変化していきます。

回答:久保山茂樹さん

こちらは、赤ちゃんが1歳までにどのような発信をしていくかを表した図です。



生まれたばかりの赤ちゃんは泣くという表現しかできませんが、生後1か月ごろになると、「あー」「うー」などクーイングと呼ばれる声を発するようになります。これらの発信に周りにいる人たちが反応を繰り返していると、赤ちゃんは声をだして笑うようになります。
そして4か月ごろには物に興味がでてきて手を伸ばすようになるのです。
「こういう動きをすると、大人が何か反応してくれるんじゃないか」「見ていてくれるんじゃないか」と試してみると、周りの人が反応してくれる。「あ、私のことをまねしようとしている。見てくれている」ということが経験的にわかってくると、大人のやることもまねしてみようかとまねするようになります。この順番が大事なんですね。
大人としては赤ちゃんがまねしてくれるとうれしいのですが、赤ちゃんの立場に立ってみると、まずは自分のことをまねしてもらって、その後、大人のまねをしようという気持ちが育ってくるのです。こうして、まねができるようになってくると、指をさして、「あれを見てほしい」という行動が出てきます。
ここまでの目安がだいたい1歳くらいですが、この表でお伝えした月齢で何ができるかどうかということは、あまり気にする必要はありません。

赤ちゃんには一人で探索する時間も必要です。

回答:榊原洋一さん

もうひとつ付け加えておきたいのですが、赤ちゃんには、一人で周りの様子を見たり、自分の手を見たりする時間も必要です。
例えば、自分でガラガラを持ってじっと見つめているようなときは、赤ちゃんは、「これ面白いなあ」と観察しているのですが、そこにお母さんに一生懸命話しかけられると、「ちょっと待っててよ、今、これ見てるんだから」というようなときもあるかもしれません。
子どもは、一人で自分の周りを見て、指や手をしゃぶり、自分の身体を探索する時間も必要です。常に何か声掛けをしなくてはいけないということではありません。

赤ちゃんの反応があまりなくても、話しかけることに意味はあるの?

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お風呂で赤ちゃんと二人きりになると気まずくて、どうすればいいかわかりません。

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