夫婦ともに英語が苦手です。子どもに遺伝の影響はありますか?
わが家は夫婦ともに英語が苦手です。私は小さい時に英語を習っていましたが、全く身につきませんでした。英語は必要だと思うので、得意になってほしいと思っています。遺伝の影響はありますか。
(3歳4か月の女の子と1歳3か月の男の子のママ・パパ)
(3歳4か月の女の子と1歳3か月の男の子のママ・パパ)
語学の得手不得手には、遺伝の影響はほとんどありません。
回答:榊原洋一さん 英語が苦手という人は多いと思います。その原因の一つは、例えば小さい時に習い始めたとしても、日常的に使わないため、定着せず、身につかないということが考えられます。英語が必要な環境になれば話せるようになるものです。遺伝なのか、生まれつきの能力なのかということは、考える必要はありません。もちろん生まれつき聞き取りが得意な人や音感がいい人などは確かに英語の会話が早くうまくなることもありますが、私たちが物事を学ぶ時には、それが自分にとって必要かどうかということが非常に重要です。お父さんとお母さんが英語が苦手だとしても、そのことはほとんどお子さんに影響はありません。お子さんは自分が本当に必要な環境の中に入れば、英語も中国語も話せるようになります。
遺伝で説明されない部分は環境で説明される。
回答:遠藤利彦さん 先ほど、遺伝からどのくらいの影響を受けるかというお話がありましたね。 IQは50~60%、外向性などのパーソナリティは30~50%ということでした。では、遺伝で説明されていない部分は何かというと、このように環境で説明されます。 IQなら50%、半分は環境によって説明されるということになります。また、遺伝と環境は単純な足し算ではなく、その関係性はかなり複雑だということもわかってきています。遺伝に含まれることの中には、これから先、その子がどんなものを環境から選び、あるいは自分でどのように環境を作っていくかということにも影響すると言われています。
遺伝と環境の相互作用が「個性」につながる
持って生まれた遺伝子には、その子が発達するために必要な情報が書き込まれています。
仮に、音楽についての情報が書き込まれている子どもは、歌を聴いたり、楽器を演奏したりすることが好きな傾向があります。 その子の周りに音楽的なものがあると、子どもはそれを好んでやり始め、能力を花開かせていきます。自然に関心がある子どもであれば、虫や植物に触れる環境を好み、ものづくりに関心がある子どもであれば、もの作りができる環境を好むというように、遺伝と環境が相互に作用し合い「個性」となります。
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