子どもの可能性を伸ばすために、小さいころからいろいろな環境に触れさせたいと考えていて、生後3か月からリトミック教室に通っています。最近は知育系の教室も気になっていますが、知育系の習いごとは本人が息苦しくなるのではないかと心配です。子どもには、ふだんから絵本や図鑑を見せていて、英語の絵本にも興味を示しています。そんな知的好奇心が強い様子をみると、教室に通わせたほうがよいのか迷ってしまいます。知育系の習いごとはどう考えればよいのでしょうか。
(2歳6か月の女の子をもつママより)
番組「すくすく子育て」には、知育系の習いごとについて、以下のような質問もたくさん寄せられています。
・英語は幼児期から習わせたほうがいい?
・早く学習させることで勉強の苦手意識がなくなるのでは?
・遅れをとらないためには小学校に入る前に何を習わせておけばいい?
・英語は幼児期から習わせたほうがいい?
・早く学習させることで勉強の苦手意識がなくなるのでは?
・遅れをとらないためには小学校に入る前に何を習わせておけばいい?
幼児期に身につける大事な力がある
回答:遠藤利彦さん 多くの親は、勉強ができて成績がよい子どもになってほしいと思い、幼児期から早期教育・知育教育を受けたほうがよいのではないかと考えがちです。ですが、いろいろな研究の結果、幼児期には「自分を大切にして自分を高めていこうとする力」を身につけることが大事だとわかってきています。例えば、子どもが、自分がおもしろいと感じたことに夢中になり頑張って続けることや、やればできるという感覚を持つことです。それが、子ども自身が「勉強がおもしろい」「続けたい」「頑張ろう」と思えることにつながるのです。同じように、人とうまく関わっていく力も大事で、先生や友達とうまくやっていくことにつながっていきます。このように、「自分を大切にして高めていこうとする力」や「人とうまく関わっていく力」が、結果的に、勉強ができて、よい成績をとることにつながっていくのです。
評価にさらされると興味・関心がなくなることも
回答:河邉貴子さん 子どもは、できる・できないといった評価にさらされたり、目標を決められてやらされると、途端に興味や関心がなくなることがあります。子どもにとっては、「本当に好きで、追及したいもの」に出会わせてあげることが大事だと思います。
親としては、小学校で勉強に出遅れてしまうことへの不安があり、基礎だけでも早く覚えたほうがよいのではと思ってしまいます。
幼児期に必要なのは頭を使う経験
回答:遠藤利彦さん 幼児期だからこそできることがたくさんあります。例えば、子どもが自分で選んで好きなことをできることです。この時期を小学校の準備期間と考えるのは、もったいないと感じます。幼児期の段階では、「何かができた結果」より、「頭を使う経験そのもの」が大切で、その経験がどれぐらい豊かにできるかが重要です。そして、子どもがいちばん頭をよく使うのが、自発的な遊びで夢中になっているときなのです。
子どもが夢中になって遊んでいるとき、親ができることはありますか?
容易に答えを与えず見守る
回答:遠藤利彦さん 子どもは「科学者」に似ているといわれています。興味を持ったものに夢中になって、どうなっているのだろうと疑問を持ち、考えて、仮説を立てて、実際にやってみようと実験する。うまくできなかったら、もう一度仮説を立てて、また実験する。子どもは、これが楽しくて、延々と繰り返しているわけです。そんなとき、親は容易に答えを与えず、見守ってあげることが大切です。
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