子どもと2人の生活に変化がないけど、これでいいの?
長男が6か月になり動きが活発になってきましたが、毎日同じことの繰り返しで変化がありません。子どもの発達のために、このままでいいのか悩んでいます。子どもがものを握れるようになれば握るおもちゃで遊ばせたり、近所をお散歩して「オレンジ色の柿があるね」と声をかけたり、変化があるように心がけています。それでも、いつも私と2人だけの遊びで退屈ではないかと心配です。育児書には「赤ちゃんのころから刺激を与えた方がいい」と書かれているし、どんどん成長する大事な時期に、もっといろいろな遊びをした方が、子どものためになるのではないかと不安です。
(6か月の男の子をもつママより)
刺激を与えるより、子ども自身の興味を大切に
回答:汐見稔幸さん 子どもにいろいろな刺激を与えてあげようとしても、子ども自身が興味を持っていないこともあります。小さいころは、情報を処理できることも少ないのです。その中で、風の音を静かに聞いているなど、子どもが何かに興味を向けていることがあります。そのとき、親がいろいろなことを言ってしまうと、かえって子どもへの刺激が妨げられる場合もあります。 たくさんの刺激を与えないといけないと考える必要はありません。子どもを見守り、「今、何か気になっているのかな。いい顔しているな」と感じることができれば、それでいいと思います。
繰り返すことで、先を見通す力が身につく
回答:汐見稔幸さん 同じことを繰り返すことで、子どもは徐々に「これ」が終わったら「あれ」が始まるなど、先を見通す力が身についていきます。実は、同じことを同じリズムで繰り返してあげることも、子どもにとっては大切なのです。
スキンシップが子どもに安心感をもたらす
回答:岩佐寛子さん 子どもがうれしそうな表情でいるなら、それで十分だと思います。ママが「刺激を与えないといけない」と焦る気持ちもわかりますが、今は、親子の時間を大事にすることを考えてみてはいかがでしょう。 それでも迷ってしまうときは、スキンシップをするといいでしょう。だっこしてあげたり、くすぐってあげたり。歌いながら子どもの手足を動かしてあげることも、よいスキンシップとなります。スキンシップをすることで、子どもに安心感をもたらすのは、とても大事なことなのです。
赤ちゃんとの遊び3パターン
視聴者のみなさんから、「まだ小さい赤ちゃんと、どう遊んでいいのかわからない」という意見がたくさん寄せられました。例えば、「遊びも歌もマンネリで子どもが退屈していないか不安」「遊びの幅を広げてあげたいが、どうすればいいの?」などです。
汐見稔幸さんによると、この時期の遊び方には次の3つのパターンがあるといいます。
①声や体を使った遊び
ママ・パパの声や体を使った遊びです。赤ちゃんをくすぐったり、手遊び歌で遊んだりします。
②おもちゃを使った遊び
次に、おもちゃを使った遊びです。おもちゃといっても特別なものは必要ありません。簡単にできる手作りおもちゃでいいのです。
③自然を利用した遊び
最後に、自然を利用した遊びです。散歩のときに空を見たり、ひなたぼっこをするだけでも子どもにとっては十分な遊びになるのです。
保育園では、赤ちゃんとどう遊んでいる?
保育園でも、この3つのポイントをおさえた遊びをしているそうです。青戸福祉保育園(東京都)の0歳児クラスの様子を見せていただきました。
子どもたちが遊ぶおもちゃは、手作りのものや、手に入りやすいものを使っています。
例えば、「ゴムホース」を切ったものです。容器を叩いて音を出すなどして遊びます。ゴムホースは柔らかいので、安心して遊んでもらえます。
他にも、キッチンで使うボウルなど身近なものを使います。頭にかぶせて遊んだりします。
「わらべうた」に合わせてリズムをとる遊びも大好きです。歌に合わせて、輪っかを頭に乗せたり、落としたりして遊んでいました。この輪っかも、新聞紙をねじって輪にして粘着テープで巻いて作った、手作りおもちゃだそうです。
この保育園では、安全で、遊び方が決まっていないおもちゃを使っているといいます。子どもたちが自由にイメージして、いろいろな遊びができるようにしているのです。
天気のよい日には砂遊びをします。自然を利用した遊びです。子どもたちは、砂の感触や、砂の形が変わる様子に興味津々になっていました。泥んこになると洗濯の心配はありますが、ときには五感を育む自然で遊ぶのもいいですね。
他の子どもたちとの関わりが少なくても、子どもの社会性は育つの?
すくすくポイント
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