赤ちゃんはどうして夜泣きするの?
8か月のころから息子の夜泣きがはじまり困っています。以前は多少ぐずる程度で、すぐに寝ていましたが、8か月になるとびっくりするような大きな声で泣くようになりました。1時間ほどの夜泣きが、ひと晩に1~2回あります。
夜泣きの対策をいろいろと調べて、「おなかいっぱいにさせるとよく眠る」と聞けば、ご飯の量を増やしてみたり、「部屋は涼しいほうがいい」と聞けば、最適な温度を探ってみたり、「できるだけ部屋は暗く」と聞けば、遮光カーテンに変えたり。それでも、夜泣きはやみません。夫婦であの手この手を使って、なんとかその場をやり過ごす日々です。
赤ちゃんはどうして夜泣きするのでしょうか?
(9か月の男の子をもつママ・パパより)
赤ちゃんが泣くことをネガティブに受け止めない
回答:黒田公美さん 古今東西、夜泣きは親の悩みの種ですよね。残念ながら誰にでも効く特効薬のようなものは今もありません。 でも、赤ちゃんが泣くことをネガティブに受け止める必要はありません。夜泣きする赤ちゃんをみていると、親はどうしても「つらいのかな」「怒っているのかな」「何かが悪かったのかな」と考えてしまいます。大人が同じように泣いていたら相応の理由があるはずです。ですが、赤ちゃんの場合はたいしたことがない理由でも激しく泣くことがあります。泣いている本人が、必ずしもつらいと感じているわけでもありません。ネガティブに受け止めている部分があれば、その点は安心してください。
夜泣きの原因は睡眠と覚醒の切り替えがうまくできないこと
回答:黒田公美さん 夜泣きの原因は、赤ちゃんの睡眠と覚醒のメカニズムが未発達であることも原因として考えられています。赤ちゃんの睡眠は、生後まもなく昼夜関係なく3時間おきに起きるような段階から、少しずつ大人型の睡眠になっていきます。その過程で、睡眠と覚醒をうまく切り替えることができない時期もあります。そのような時期は、眠いけど眠れない、すっきりと起きることができないといったことで泣くことがあります。
子どもの睡眠が安定するのは何歳ぐらいですか?
目が覚める回数は成長とともに減る
回答:黒田公美さん 脳波を使って「赤ちゃんの睡眠」を調べた研究があります。 この「乳幼児の睡眠経過図」は、赤ちゃんの睡眠時の脳波を調べたデータです。線が一番下にある時が、赤ちゃんが目覚めている(覚醒している)時を示します。一番上のステージはレム睡眠、真ん中付近に深い睡眠の状態(ノンレム睡眠)があります。 出典:Louis, J., et al., Sleep. 1997 May;20(5):323-33. 一般的に夜泣きが多くなる9か月から詳しくみてみましょう。 次の図は「9か月」「1歳半」「2歳」のデータを抜粋したものです。それぞれ、目が覚めている時間を色で示しています。 9か月の場合は、夜8時過ぎに寝て朝8時前に起きるまでに、9回起きていることがわかります。実際に、9回すべてで泣いているわけではありませんが、少なくとも脳波上は頻繁に起きている状態です。これが1歳半になると4回、2歳になると2回に減っています。このように、だんだんとまとまって眠るようになっていくわけです。
夜泣きで毎日がつらいときは、どう乗り越えたらいいのでしょうか?
体を休ませる工夫をして、気持ちまで落ち込まないように
回答:市川香織さん 夜泣きで眠れないことはとてもつらいですよね。赤ちゃんが起きてもすぐに寝てくれれば親も休めますが、夜泣きに対処しないといけないので肉体的にもつらいと思います。ですので、もし赤ちゃんが昼寝をしているとき、ママが一緒に休めるようなら昼間に睡眠時間を確保するなど、体を休める工夫をしてください。ご夫婦で対処されているとのことですが、ときにはパパにお願いして、ママは休んで、その他のご家族に協力してもらうことも考えてみてください。まずは、体を休めて、気持ちまで落ち込むことがないようにすることが大事だと思います。
すくすくポイント
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