健康のため、適度に日光浴が必要だと聞きますが、子どもの場合はどれぐらい紫外線をカットすればいいのか加減がわかりません。子どものころから浴びた紫外線が蓄積されて、将来、シミや肌のトラブルにつながると聞いたこともあり、気になります。子どもの紫外線対策は、どの程度すればよいのでしょうか。
(5歳と1歳2か月の女の子をもつママより)
紫外線の健康に良い面と悪い面を知る
回答:馬場直子さん 太陽の光には、目に見える可視光線と、目に見えない紫外線・赤外線があります。それらの違いは光の波長です。紫外線は可視光線より波長が短く、エネルギーが高い光です。紫外線を浴び過ぎると、シミ・しわ・免疫低下・良性や悪性の腫瘍・白内障などの原因になり、健康に悪影響があります。 一方で、ビタミンD(※)が紫外線によって皮膚で合成されるという、健康に良い面もあります。ビタミンDを食事からとることもできますが、食物アレルギーなど、食事だけでは十分にとれない場合もあります。適度に紫外線を浴びることも大事なのです。 ※ビタミンDとは 人にとって大切な栄養素で、体内へのカルシウムの吸収を助ける役割をします。ビタミンDが不足すると、体がカルシウム不足になり、骨のカルシウムを溶かして補おうとします。そうなると、骨がもろくなり、くる病(カルシウム不足による骨格異常。主な症状としてO脚など)や骨軟化症などにつながります。
どれぐらい紫外線を浴びればよいか、目安はありますか?
地域・季節・時間帯などによって変わる
回答:馬場直子さん 住んでいる地域、季節、時間帯、肌のタイプといった条件によって違うので、一概には言えません。ひとつの目安としては、8月1日、東京で、いちばん紫外線の強い時間帯(正午)で、半袖で顔と両腕を露出した状態なら、3分ぐらいで1日に必要なビタミンDがつくられると言われています。冬(1月)の場合、同じ条件で、長袖で顔と手だけが露出した状態なら、50分は必要だと言われています。 紫外線を浴びるとき、必ずしも外に出る必要はありません。小さいお子さんなら、日当たりのよい窓辺でひなたぼっこでも十分だと思います。
敏感肌の子どもはしっかり対策する
回答:馬場直子さん 肌が敏感で、紫外線を少し浴びただけでも赤くなるようなタイプのお子さんは、しっかり紫外線の対策をしましょう。例えば、夏でも薄手の長袖を着る、日焼け止めクリームを塗る、帽子をかぶる、紫外線が強いお昼前後は外出しない、など気をつけてみましょう。
ビタミンDは、食べるものだと何からとれますか?
きのこやお魚からとることができる
回答:馬場直子さん しいたけなどの「きのこ類」、鮭・うなぎ・しらすなどの「魚類」からとることができます。
小さいころに浴びた紫外線は蓄積されるのですか?
影響がないとは言えない
回答:馬場直子さん まだ厳密な知見は得られていませんが、生涯に浴びる紫外線の約半分を、学童から学生の時期に浴びると言われています。ですので、小さいころからの蓄積が影響しないとは限りません。
すくすくポイント
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