砂遊びや積み木崩しで、子どもの可能性を見出すことはできる?
息子は、手遊び歌、くすぐり遊び、積み木崩し、カップ崩しなどの遊びをよろこんでくれます。ですが、こういう遊びでは、子どもの可能性を伸ばすことができないのではないかと思って悩んでいます。
(1歳5か月の男の子をもつママより)
子どもは同じことをやっていない
回答:井桁容子さん 大人から見ると、ただカップ崩しを繰り返しているように見えても、子どもにとってはそうではありません。実は、同じことには飽きてしまうので、何番目を触ると全部倒れる、足でドンとすると倒れるなど、次々と工夫を探しながら遊んでいるんです。砂場で遊んでいても、どうやると砂がさらさらと落ちるのかなど、その仕組みと性質を知ろうと夢中になっています。芸術家肌の子なら、砂場の上を泳ぐように遊んで、こっちは温かいけど、そっちは冷たいと感じて、日向と日陰の違いを遊びの中から発見することもあります。子どもの遊び方をよく見ていると、その子が何に興味を持っていて何が好きなのかがわかってきます。
人間は自分で自分を育てていく
回答:汐見稔幸さん 赤ちゃんに関する研究が進んできて、共通に言えることがいくつかわかってきています。そのひとつが「子どもは同じことにすぐ飽きる」ということです。遊び続けているなら、必ず別のテーマを見つけながら遊んでいる。同じような崩し方はできるか、もっと楽に倒す方法はないかなど、何か新しいテーマを自分で見つけてどんどんやっていく。そして、子どもは教えられたり、引っ張っていかれたりするから育つのではないということもわかってきています。これをやりたい、できるようになりたい、調べてみたいといったことを見つけて、知らないうちに、結果としていろいろな知識や能力を身につけていきます。人間は、自分で自分を育てていく動物なのです。 そのために、いちばん大事になる場が“遊び”です。遊びの中には、ものの性質を確かめたり、きれいなものを感じたり、人間関係を大事にしたり、いろいろな要素がそろっています。
可能性を伸ばす要素は子ども自身が発見する世界にある
回答:井桁容子さん 子どもたちが夢中でやっていることの中に、大人の固定観念を壊してくれる、とても柔軟な発想が見えたとき、子育てはおもしろくなります。大人の目だけで見ると代り映えがなくても、子どもたちが発見する世界は私たちの固定観念をひっくり返してくれる。表面的な、できる・できないで見ていると、それを見落としてしまいます。子どもの可能性を伸ばす大事な要素はそこにあると思います。
すくすくポイント
PR