私は、褒めて育てることを大切にしてきました。大人が思う“いい子”ではなく、自分らしく幸せになってほしいので、親がいろいろ言うより、自分で「こんなことができるんだ、得意なんだ」ということをいっぱい感じてほしいと思っています。
でも、最近になって息子を叱ることが増えてきました。ひとつは食事のマナーです。4歳になるのにスプーンやフォークをうまく使えず、手で食べてしまい、食べものをこぼしたりしています。保育園でも迷惑をかけていると思いますし、ちゃんとしないといけないと思っています。もうひとつの原因は、遊びに夢中なとき、はしゃぎ過ぎて乳幼児の妹にぶつかったりすることです。
息子を見ていると毎日楽しそうで、それがよいことだと思うのに、結局ガミガミと叱ることで悲しい気持ちにさせているようで…。褒めて育てたいのに、それでも叱るべきなのか葛藤して悩んでいます。
(4歳2か月の男の子と8か月の女の子をもつママより)
褒めると叱る、両方あってのしつけ
回答:遠藤利彦さん しつけにおいて、褒めることは確かに大切ですが、叱るべきときには叱ることも大切です。褒めること・叱ること、その両方のバランスがうまくとれている中で、子どもはしっかりと育っていきます。 また、褒めることにも注意することがあります。具体的な根拠を上げないで、ただ褒めることを続けると、褒められることに慣れてしまい、“褒められ中毒”になるのです。これは欧米の研究によるものです。中毒になると「いい子でいないといけない」という気持ちが強くなり、失敗するようなことに手を出さなくなります。チャレンジをしなくなるので、自分の発達の可能性を小さくしてしまうこともあると言われています。ただ褒めるだけでよく育つとは限らないということは、どこかで気に留めていただけるといいのではないかと思います。
うまくスプーンが使えるまで食事に工夫を
回答:柴田愛子さん お子さんは食欲旺盛なのに、食べたい気持ちにスプーンを使う手の方が追いつかず、気持ちと体の動きのギャップが大き過ぎるのだと思います。手の未熟さは待つより他はないと考えて、今は待ちましょう。スプーンがうまく使えるまでは、食事がばらばらにならないようにおにぎりを作ったり、こぼれても大丈夫なように床に新聞紙をしいたり、いろいろな工夫をするのがよいと思います。
すくすくポイント
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