食後のお茶や水はむし歯予防になる? 効果的な予防法は?

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2017/11/25

出典:すくすく子育て[放送日]2017/11/25[再放送]2017/12/01

次男はお菓子が大好きで、1日に2~3回ぐらいはおやつをあげています。基本的にはおせんべいなどで、たまにクッキーやチョコをあげることもあります。ですが、上の子が甘いものを見つけてくるので、下の子も一緒に欲しがります。
虫歯にならないか心配で、甘いものを食べさせた後は、歯の汚れがとれるかなと思って、必ずお茶を飲ませるようにしています。虫歯にならないために効果的な方法はあるのでしょうか?
(4歳と1歳10か月の男の子をもつママより)

糖分がない飲み物で洗い流すだけでも違う

茂木瑞穂さん回答:茂木瑞穂さん

口の中に残った食べカスは、むし歯菌のエサになってしまいます。お水やお茶など、糖分がない飲み物で洗い流すだけでも、大きく違ってくると思います。

むし歯のメカニズムを知っておこう

茂木瑞穂さん回答:茂木瑞穂さん

むし歯菌が、直接歯に何かをしているというイメージがあると思いますが、そうではありません。
どうやってむし歯ができるのか知っておきましょう。

むし歯菌は、口の中の糖分をエサにして、ネバネバの物質を作り出します。このネバネバの物質とむし歯菌のかたまりが、プラーク(歯垢)になります。この状態で、むし歯菌が酸を出すと、その酸によって歯が溶け、むし歯になってしまうのです。



プラークはやわらかいので歯磨きで落とすことができますが、かたくなって歯石になると落とすことができなくなります。

 

ご飯やお菓子を食べることが、むし歯のリスクになるんですか?

規則正しく食事をすることが大事

茂木瑞穂さん回答:茂木瑞穂さん

むし歯のリスクを考えるとき、食生活の習慣が大事になってきます。
口の中が酸性なのかアルカリ性なのか、その変化を見てみましょう。



口の中は基本的には中性です。pH(ペーハー)という数値で、7ぐらいの状態になっています。食後は、むし歯菌が糖分と結びつき酸を出すので、酸性に傾きます。pHが5.5ぐらいで、歯は溶け出すと言われています。酸性のままだと歯が溶けてしまいますが(ブルーの部分)、唾液による中和作用で徐々に中性へと戻り、歯が溶けない状態(ピンクの部分)になります。中性へと戻るためには、食後の何も食べない時間帯が必要になるのです。
ところが、ダラダラ食べたり、飲んだりしていると酸性に傾いたままで、中性に戻ることができません。



歯にとって、時間を決めて規則正しく食事をすることが大事になるのです。

 

むし歯になりにくいおやつはあるんですか?

歯につかず、口の中に残らないもの

茂木瑞穂さん回答:茂木瑞穂さん

歯にくっつきやすいものは、どうしてもむし歯になりやすいです。
アメはくっつきやすくはありませんが、口に含んでいる時間が長いので、これもむし歯になりやすいです。
梨やりんごなど、サラサラとして、歯につかない、口の中に残らないものがおすすめです。

おやつは第2の食事

茂木瑞穂さん回答:茂木瑞穂さん

おやつは甘いものだと思っているのかもしれませんが、おやつは補食だと考えてください。小さいお子さんは、まだ胃が小さく発達していないので、必要な栄養を3回の食事ではまかなえません。そのため、おやつをあげて、4~5回にわけて栄養をとっています。おやつは第2の食事なのです。

 

乳歯がむし歯になると、永久歯にどういった影響がありますか?

乳歯をきちんと治療しておかないと影響がでる

茂木瑞穂さん回答:茂木瑞穂さん

乳歯のすぐ奥には、永久歯が着々とつくられています。
次のレントゲン写真を見てください。



赤い矢印がこれから生えてくる永久歯、青い矢印の白く映っている部分はむし歯を治療した歯です。
右下の部分を見てみると、虫歯を治療した歯の下に黒く膿が溜まっています。その膿が原因で永久歯がちぐはぐな方向に向いてしまっています。
乳歯をきちんと治療しておかないと、最悪の場合、永久歯にも菌が感染してしまって、腐って育たないことがあります。


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