10か月のとき、40度近くの熱を出して病院で解熱剤を処方されました。解熱剤を使うのは「38.5度以上で、ぐったりしているときに」と聞いていました。そのときは39度あったのですが、ぐったりはしていなかったし、ふだん通り遊んでいたので結局使いませんでした。解熱剤で早く治るなら飲ませた方がいいのかもしれませんが、熱が出た方が菌をやつけるとも聞きます。下手に熱を下げない方がいいのでは?と思うこともあって、薬で熱を下げることに抵抗があります。
解熱剤はどのように使えばよいのでしょうか?
(11か月の男の子をもつママより)
38.5度は目安。つらそうなときに使う
回答:山本淳さん 解熱剤は、そもそも病気を治す薬ではありません。解熱剤は「鎮痛解熱剤」といって、熱によるつらさや痛みを和らげます。本人が熱のせいでつらい、頭が痛いなど痛さを感じているようだったら使ってみましょう。 38.5度以上とよくいわれることもありますが、そこにこだわる必要はありません。39度でも平然としているなら使わなくてもいいし、38.4度でもつらそうであれば使ってもよいのです。38.5度は目安なので、つらそうだったら、お薬のメリットがありそうだったら使いましょう。
解熱剤で熱を下げると、細菌やウイルスなどと戦えなくなるのではないかと心配です。
高熱による体力の消耗を防ぐために使う
回答:山本淳さん 確かに熱は免疫反応のひとつです。体温が上がることで、細菌やウイルスなどと戦いやすくなる部分もあります。ですが、熱が上がることで体力が消耗してしまっては、元も子もありません。消耗を防ぐという意味で、上手に使っていきましょう。
解熱剤の上手な使い方は?
生活のリズムを整えるタイミングで使う
回答:日沼千尋さん
解熱剤は生活を楽にするために使いましょう。
子どもの熱は夕方から夜にかけて上がる傾向があります。上がりきったところで解熱剤を1回使うとよいと思います。
<一般的な子どもの熱の経過>
※一般的な例のため発熱の状況により、同じ経過をたどらないことがあります
解熱剤により少し元気が戻ったところで、お風呂に入れたり、ご飯をあげたり、子どもらしく楽しく遊ばせたりしてから、寝かしつけてあげる。そうすることで生活のリズムが整います。食べることや眠ることで体力もつき、回復力も強くなります。このように、生活を整えるために、タイミングを見て解熱剤を上手に使ってみましょう。
熱が高すぎると、脳に障害が出ると聞いたことがあります。
重い病気だから高熱が出ている
回答:山本淳さん 脳に障害が残るような重い病気は、おおむね高熱をともないます。障害が残るのは熱のせいではなく、病気自体が重いのです。それが高熱の影響だと誤解されていることがあります。
発熱時のホームケア
熱が出たときのホームケアを確認しておきましょう。
・熱の出はじめ、熱が上がっているとき
手足が冷たく悪寒がしているうちは毛布などで温めます。
・熱が上がりきったら
室温を少し下げ、薄着にして体を冷やします。脇の下、首、足の付け根を冷やすと効果的です。
水分補給も大事です。脱水症状にならないよう、水、お茶、赤ちゃん用イオン飲料などを、少しずつあげましょう。
回答:日沼千尋さん おでこなどに貼る冷却シートには注意が必要です。赤ちゃんが、親の目の届かないところではがして、お口に入れてしまうことがあります。できる範囲で、環境を整えて、体を冷やしてあげましょう。
男の子のほうが熱を出しやすいと聞いたことがあるけど本当ですか?
すくすくポイント
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