家では妹と仲良く遊ぶ優しいお兄ちゃんですが、お友だちと遊ぶとき、自分より年下の子や優しい雰囲気の子に対して強く出てしまって、おもちゃを取ったり、押してしまったり、意地悪をしてよく泣かせてしまいます。特定の子にしてしまうのは、どうしてなのかなと悩んでいます。滅多に使わないおもちゃも、お友だちが遊んでいたら、取り返したくなって、取り合いして、大泣きして。どう言い聞かせたら、トラブルにならないのでしょうか。
(2歳9か月の男の子と8か月の女の子をもつママより)
相手の性格を認識して行動が変わる
回答:遠藤利彦さん 2~3歳になると、自分の性格や相手の性格がはっきり認識し合えるようになってきます。そして、自分がうまくやりとりできそうな相手は誰だろうかなど、自然に行動が変わっていきます。これは、当然のことだと思います。
相手を泣かせるつもりはないので悪気はない
回答:井桁容子さん すごく優しいお子さんだと思います。相手の状況をよく見て、洋服を引っぱったりしても、顔をガリガリするなど強引なことはしていません。理性を働かせて、自分は「こう思っている」と伝えようとしているけど、うまく伝えられないから、最後に泣くという行為になっています。大きい子に逆らわないのは、人を見る目がついているからです。 そして、誰かを泣かすつもりではないのに、相手が泣いてしまって、びっくりして自分も泣いてしまう。悪気はなく、優しく、状況もよく見ているので、困ったお子さんだと思いません。
いつも使っていないおもちゃなのに、お友だちが使い出すと「私のおもちゃ使わないで」となるのは、どうしてでしょう?
他の子どもとうまく遊ぶスキルがまだない
回答:遠藤利彦さん 他の子どもが持っているものに関心があると、それを取りに行く。一緒に遊びたいときには近づいていく。ただし、うまく遊ぶためのスキルが、まだありません。おもちゃに手を伸ばすと、相手は取られたくないから、結果的にトラブルになっていますが、根底には仲良く遊びたいという気持ちがあります。 年齢が上がってコミュニケーションの力がついてくると、他のお子さんととても仲良くなれるような力を持っています。そのように考えてください。
トラブルが起きるまでは、見守った方がよいのですか?
感情のぶつかり合いを本人たちが実感することが大事
回答:井桁容子さん 危なくない範囲で、どのような感情がぶつかっているのかを、本人たちが実感することが大事です。言葉にできれば「それが欲しかったんだよ」と言えますが、まだ言葉にできないと、泣く以外に残念な気持ちを表現できません。 相手が泣けば、残念な気持ちで泣く人がいるのだということを感じます。すぐに解決するわけではありませんが、まずいことをしたと感じること、どうしたらいいか考えることが大事です。 そして「欲しかったんだね」など、あなたの気持ちは分かっているよと伝えましょう。自分の気持ちが分かってもらえると感じることが大事です。 「でも、びっくりする人もいるよ」など、相手の気持ちになることを添えてあげましょう。
責めるのではなく落ち着いて話をする習慣を
回答:遠藤利彦さん 感情が高ぶっているときは、なかなか他の人の言葉を聞き入れる余裕がありません。少しタイミングをずらして、落ち着いてきたところで話をしてみましょう。 話すときは、責めるのではなく、落ち着いて「そういうときは、こういうのはどうかな?」「ちょっとダメだよね」という話をしてみる。そのような習慣をつけていくことも大切です。
すくすくポイント
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